新型スズキ スペーシアギアの全貌判明 アウトドアを気軽にする最新軽自動車がスゴい
新しいスズキ「スペーシアギア」は、オモシロい軽自動車だった! 発売前に実車を見た、小川フミオがリポートする。 【写真を見る】新型スペーシアギアの内外装(21枚)
ちょっとした特別感がイイ
スズキが軽ハイトワゴンの新型スペーシア・ギアを2024年9月20日に発表した。“10マイル・アドベンチャー”をコンセプトに、アウトドアテイストで、日常の暮らしを楽しくしたいというモデルだ。 23年11月発表の新型スペーシアとスペーシアカスタムに加えて、これで3本柱での展開となる。現在、スポーティなルックスのスペーシアカスタムが好調といい、今回のスペーシアギアで拡大の可能性があるSUV市場を引き続き狙っていくそうだ。 17年登場の先代スペーシアギアから「“無骨かわいい”というエクステリアデザインのコンセプトを継承し、アウトドアギアの道具感をより感じられるデザインを実現した」と、スズキ。 樹脂製のクラディングと丸形ヘッドランプというスズキの”軽SUV“のモチーフを使いつつ、グリル、前後バンパー、サイドアンダーガーニッシュ、14インチアルミホイール、それにルーフレールなどが専用装備だ。 ここで紹介している「オフブルーメタリック」をはじめ「ミモザイエローパールメタリック」と「モスグレーメタリック」の3色は新設定。ルーフ部分をガンメタリックで塗った2トーンは全部で6色、モノトーンは3色。選ぶ楽しみがある。 内外装のところどころにバーミリオンのアクセントカラーを使用しているのもスペーシアギアの特徴といえる。ドア下のサイドドアエンブレム、専用ファブリックを使ったシート地、計器内と、つねにちょっとした特別感を印象づけてくれる。 「キャンプ・アウトドアはブームから日常へ」というのが、スズキの開発陣が注目したマーケットのトレンドだったそう。それを冒頭で紹介した“10マイル(自宅から10マイル以内)アドベンチャー”なる言葉で表現している。 アウトドアなファッションや雰囲気が好き、キャンプの相棒として使いたい、毎日アウトドア気分を味わいたい、なんていう人たちに向けたモデルだ。 そもそも、軽SUVの人気は、広い室内と、さまざまな意匠をこらした使い勝手のよさに起因している。スペーシアギアがスペックスをほぼ同一とするスペーシアカスタムをみても、3395mmの全長に対して1785mmの全高をもっている。 シートを格納すればフラットな床面が生まれ、27インチの自転車を立てて載せることも可能。いっぽう、リヤシートは前後スライド機構を持っていて、オットマン機能も持つ。かつ広さでいえば、ロールス・ロイス「カリナン」と同等かそれ以上だ。 シートの材質とかデザインとかまったく違うわけだけれど、意外なほどスペーシアギアはクッション性がある。ファミリーで乗るのも悪くないだろう。 エンジンは、直列3気筒で657ccのノーマルアスピレーション版(HYBRID XZ)と、658ccのインタークーラー付きターボチャージャー版(HYBRID XZターボ)の2本立て。ともに小型モーターが必要に応じてトルクを積み増すマイルドハイブリッド化されている。駆動方式は、前輪駆動と4輪駆動が選べる。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)