Microsoftが新しいインストーラーを導入、ストアアプリをWebから導入するステップを削減
Web版「Microsoft Store」で、クリック回数を削減した新しいインストーラーが導入されているとのこと。MicrosoftでPrincipal Architectを務めるRudy Huyn氏が、自身のX(Twitter)アカウントで明らかにしている。 【画像】従来のプロセス。[インストール]ボタンを2回押す必要がある 「Microsoft Store」は同社が提供しているアプリストアで、OSに同梱されている「ストア」アプリのほか、「apps.microsoft.com」からも利用できる。 今回改善されたのは、「apps.microsoft.com」からストアアプリをインストールする方法だ。従来は以下の手順を踏む必要があり、クリック数が多すぎると指摘されていた。 ・「apps.microsoft.com」の製品詳細ページで[インストール]をクリック ・Webブラウザーがダイアログを表示するので、ディープリンク(アプリのインストールリンク)を「ストア」アプリで開くことを許可する(チェックボックスをONにすれば、2回目以降は不要) ・「ストア」アプリのミニウィンドウでもう一度[インストール]をクリック ・内部でインストーラーが実行される 2つ目の[インストール]ボタンが必要なのは、悪意あるスクリプトが不正なディープリンクで「ストア」アプリを開こうとしていないことをチェックするためだ。 一方で、今回導入された新しい仕組みは以下の手順となる。 ・「apps.microsoft.com」の製品詳細ページで[インストール]をクリック ・インストーラーのダウンロードが始まる ・ダウンロードしたインストーラーを実行する ディープリンクを介して「ストア」アプリを起動し、ミニウィンドウを開く処理は新しいインストーラーに組み込まれているので、ユーザーは2度目の[インストール]ボタンをクリックする必要はなくなる。ほかにも、以下のメリットが得られる。 ・「ストア」アプリのミニウィンドウより、新しいインストーラーの方が軽量で高速に起動する ・「ストア」アプリが何カ月も更新されていない場合でも、最新のインストーラーがWebから直接ダウンロードされる ・万が一システムから「ストア」アプリがアンインストールされていても動作する ・「ストア」アプリは一度に複数のアプリをインストールできないが、新しいインストーラーは並列化をサポートしており、複数のアプリを同時にインストールできる つまり、「ストア」アプリと新しいインストーラーは切り離されているため、新しいインストーラーは「ストア」アプリの制限をうけなくなり、インストールの手順が簡素かつ手軽なものになる。 この新しいストアアプリケーションのインストール方法をテストしたところ、インストール数は平均で12%、インストール後に起動されるアプリケーションの数は54%増加したという。 とはいえ、インストーラー(EXEファイル)を直接ダウンロードしてユーザーに実行させるという手順は、アプリストアで管理されていない、所謂「野良アプリ」と変わらない。なかには「ストア」アプリのミニウィンドウを介してユーザーにインストールさせる方が安心感が得られると考える開発者もいるだろう。その場合は、起動モードを以下の3つのうち「Direct」以外に設定しておくとよい。 ・Popup:ミニウィンドウを介したインストール ・Full:「ストア」アプリの製品詳細ページが開く ・Direct:新しいインストーラーを利用する方法 また、新しいインストーラーは「.NET Framework 4.7.2」(WPF)を利用しているとのこと。「ストア」アプリをサポートしている環境であれば標準でインストールされているため、ランタイムの欠如を心配する必要はない。
窓の杜,樽井 秀人