長野県東筑摩郡山形村・竹田の里が「乗鞍番所在来種」のそば栽培、魅力発信
長野県東筑摩郡山形村上竹田の農業生産法人・竹田の里が、生産者が激減し〝幻のそば〟と呼ばれる品種「乗鞍番所(ばんどころ)在来種」を、かつて盛んに育てられていた松本市安曇の乗鞍高原や、村内で栽培し守り続けている。希少な在来種の魅力をさらに広め後世に継承したいと、新たな商品を開発し19日から同法人のインターネットサイトで販売を始める。 法人代表の神通川賢一さん(40)の祖母・いそゑさんが乗鞍出身だった縁で、30年ほど前から村でも在来種を栽培するようになった。前代表の清一さんが親戚から種を分けてもらい、現在は種も自家栽培。乗鞍と村内の畑計13ヘクタールで栽培し、他の品種と交配しないよう機械の洗浄や専用機の導入など管理を徹底しながら丹精している。 在来種は品種改良されていない力強いそばの香りやナッツのようなうまみが特徴。一方、管理の手間がかかり収穫量が少ないといった課題もある。管理の大変さから一時は栽培をやめようと思ったこともあったという。しかし、希少な品種に高い価値を見いだす全国各地のそば職人との交流や、在来種の味に感動する人の声に触れ神通川さんは「在来種の栽培を守る意義があり、継承していく責任を感じる」と話す。 新商品はひき方を変えた2種(玄びきと丸抜き)の冷凍生そばセット(4人前、税込み5400円)、十割そばの乾麺(税込み650円)を開発した。神通川さんは「生産者が自信を持って勧めたい味。ぜひ味わってほしい」と願う。問い合わせは竹田の里(電話0263・98・2270)へ。
市民タイムス