通信とAIの未来はどう進化していくのか? 通信各社が推進するAIのネットワーク活用の現在地と今後の展望
通信各社によるパネルディスカッション『通信とAIの将来』
通信各社の講演に続き、登壇者が再び登場、『通信とAIの将来』 と題し京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系 山本高至教授のモデレートによるパネルディスカッションが行われた。 中尾委員長の主眼は、学生が多く参加する学会にて、通信事業者で最先端の研究開発を推進している研究所長から招待講演とパネル議論で直接学生に、AIと通信の融合分野の重要性について語りかけていただくという狙いがあったという。 そのため、パネルディスカッションの冒頭でも京都工芸繊維大学の山本教授から、今回は普段呼べることが少ない各社の所長に来ていただいているので、技術的な話しではなく、戦略的な話しなど、ここでしか聞けないような質問を投げかけて欲しいという話があった。 その後学生からの「日本の給与体系は海外に比べると低い?」といった質問があり、各社とも優秀な人材には給与面も含め特別な制度があるが、高い成果が求められるなどハードルの高さなどが紹介された。 その中で、ソフトバンクの湧川氏からは、「日本のトップ企業でもグローバルではぜんぜん通用しない、プレイヤーとしては圧倒的に北米が強い。ただし、海外に行くことによって研究員としての勝ち筋はあるのでは?」と会場の学生たにち奮起を呼びかけた。また、NTTの安川氏も「自分の個性を磨き、自分の主張を通す意志の強さを持ち、世界を開拓する気概のある人と仕事がしたい。」と訴え、KDDIの小西氏は「苦労やそれを乗り越えた経験を積んで、自分で考えて行動できる人になってほしい。」と訴えつつ、「スキル的にも英語やファイナンス、アカウンティング、HRなどの知識があった方が良い。」とアドバイスを送った。 パネルディスカッション終了後は、企業紹介・交流セッションが行われたほか、会場では、ポスターセッションや企業紹介・交流セッション、ジュニア会員世代向けのAI-based Networkingジュニアチャレンジなどの取り組みが行われ、初日の開催後には会場をホテル札幌ガーデンパレスに移しての意見交換会も行われた。 本研究会では通信ソサイエティの様々な通信技術分野を横断した活動に加えて、本研究会(RISING 2024) は、電気通信に関する国際標準を策定するITU主催の全世界対象イベントにおいて、5G AI/ML Global Challengeの日本開催分の運営を担当するなど、今後も電子情報通信学会の枠を超え、通信ソサイエティのさまざまな通信技術分野を横断した活動を行っていくという。 超知性ネットワーキングに関する分野横断型研究会 (RISING) https://www.ieice.org/cs/rising/jpn/ KDDI総合研究所 https://www.kddi-research.jp/ NTTネットワークサービスシステム研究所 https://www.rd.ntt/ns/ ソフトバンク 先端技術研究所 https://www.softbank.jp/corp/technology/research/