「あのクズ」玉井詩織、みんなで作り上げた“悪い女”を「振り切ってできた」
奈緒さんの笑顔で、人見知りせずに楽しくコミュニケーションが取れている
――奈緒さんと仲がいい役柄を演じるに当たって、キャラクター作り以外にどのようなコミュニケーションを取っていますか? 「奈緒ちゃんとは初めましてだったのですが、年齢が近いこともあって、初日からたくさん話し掛けてくださいました。普段、グループで活動している時はメンバーと一緒にいるので平気なのですが、1人になると人見知りが出てしまうことがあるんです。ですが、奈緒ちゃんが太陽のような笑顔で明るく『よろしくお願いします』と話し掛けてくださったことで、私が隠し持っている人見知りが出ずに、楽しくコミュニケーションを取ることができています。撮影の合間には作品について話すこともありますが、プライベートの過ごし方だったり、美容の話、『この塩がおいしいよ』など、たわいもない話をたくさんさせてもらっています」 ――同じ市役所でエースとして働く大葉奏斗役の小関裕太さんとはいかがでしょうか? 「小関さんは同い年。あまりこの業界で1995年生まれの方と出会ってこなかったので、わりと最初からくだけてお話をすることができました。普段の小関さんも大葉さんのようにすごく気が利きますし、周りが見えているし、とても優しい方。その優しさに助けてもらうことがたくさんあります」 ――撫が本性を見せる、海里のルームメイト・相澤悟役の倉悠貴さんはどんな方ですか? 「一見何を考えているんだろうというような、ちょっと不思議なオーラをまとっている方。ですが、実際に話してみると年相応の青年らしさがある方で、真面目なトーンでふざけているイメージがあります(笑)。私の方が実年齢でも設定でも年上なので、関係性的にはきょうだいのような感じでお話をしていました」
TBSの火曜ドラマ枠にレギュラー出演できるとは思わなかった
――ここまでの放送で印象に残っているシーンはありますか? 「撫が『ほこ美が幸せになるのは許せないんだよね』とすごく強いセリフを言っていた第4話のシーン。生きていてそういった言葉を言うことってなかなかないじゃないですか。撫は、このドラマでは悪役パートを引き受けていると思うんです。そういったひどい言葉や行動をするシーンは心苦しかったのですが、監督から『悪い女を楽しんで。あなたがやるからそこに面白さが生まれるんだよ。意外性も生まれるし』と言われて、思いっ切り振り切ってできているのかなと思います」 ――自分以外のシーンでお気に入りもあればお聞かせください。 「自分が出ていないシーンでは、コメディーの要素が強いところが好きです。第2話でほこ美が海里に会いにバーへ行って、自分が出されたものと同じカクテルを違う女の子に出しているところを目撃して、『ふん』と怒っているシーンがとてもコミカルで大好きです。現場で奈緒ちゃん1人のシーンを見る機会は少ないので、台本を読んだだけでは想像しきれなかった、ほこ美の愛らしいキャラクターが奈緒ちゃんの味付けでより魅力的になっていてすてきだなと感じます」 ――TBSドラマ初出演ということになりますが、印象はいかがでしょうか? どんな反響が届いていますか? 「“火曜ドラマ”という響きに憧れるのもおこがましいぐらい、まさか自分がこのドラマ枠にレギュラーで出演させてもらえるとは思っていなかったのですごくうれしかったですし、周りの方からの反響も大きいです。この枠のファンの方々が本当にたくさんいらっしゃるので、その部分ではプレッシャーもありますし、物語を動かす部分を担っているので、この作品の一員として盛り上げられるように精いっぱい頑張らなきゃなと、気が引き締まります。普段は歌って踊るのがメインで、ドラマの現場というものにそこまで慣れていないので、緊張がありますが楽しくやらせていただいてます」 ――本作は主人公がボクシングに本格的に向き合う作品ですが、玉井さんはボクシングに対してどのようなイメージを持っていますか? 「作中でも出てきましたが、私自身もボクシングや格闘技って怖いイメージがありました。ですが、『ボクシングは相手を敬うスポーツなんだ。同じだけ苦労をしてきた相手を尊敬する。だから全力でぶつかって殴るに値するんだ』というすてきな言葉に、『なるほどな』と思いました。この言葉はボクシングや格闘技だけでなく、普段の生活にも言えるなと。相手に対して尊敬の気持ちがあるからこそいろいろな感情が生まれると、このドラマやボクシングを通して学ぶことができました」