5年ぶり3度目の夏の甲子園で躍進を期す学芸館ナイン

　第106回全国高校野球選手権大会は7日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕し、岡山代表として学芸館が5年ぶり3度目の大舞台に臨む。岡山大会は38得点6失点（6試合）と投打に力を発揮。2015、19年の過去2度と同じくノーシードから勝ち上がったチームが、開場100周年の聖地で「8強以上」に挑戦する。 【写真】エールを送るマネジャー 　各校の実力が伯仲し、例年以上の混戦となった岡山大会。チームの勢いが一気に加速したのはセンバツ出場の創志学園との3回戦だ。三回1死満塁からランエンドヒットの“奇襲”で2点を先取。相手のお株を奪う「アグレッシブさ」で主導権をがっちり握ると、先発丹羽も流れを渡さず、1失点で完投した。 　打線はチームトップの9打点をマークした主砲坂本をはじめ、打率5割の小田、3割超えの古謝、繁光、竹下と好打者が並ぶ。関西との決勝は初回に先制を許すも、直後に沖田の右中間への2点二塁打で逆転。六回にも2点を加え、1点差で相手の反撃を振り切った。 　躍進を支えるのが両右腕だ。エース沖田は最速143キロの直球と切れ味のある変化球をコーナーに集め、5試合22回で自責点4。与四死球0と制球力が際立つ。丹羽は182センチの長身から投げ下ろす直曲球を駆使し、5試合20回2/3をわずか1失点。この二枚看板を軸とした継投でAシード校を相次いで撃破した。 　激闘をくぐり抜け、成長を続けるナイン。「僕が何も言わなくても、選手たちで考えて勝つという理想に近づいてきた」と佐藤監督は手応えを語る。スローガンに掲げる「考動」を実践し、甲子園でも勝機をつかみ取る構えだ。 　初戦は大会第4日第3試合（10日午後1時10分開始予定）の1回戦で聖カタリナ学園（愛媛）と対戦する。春夏通算4度目となる甲子園。大きな節目を迎えた聖地に、新たな歴史を刻む戦いが始まる。