高校生の子どもの進路で悩んでいます。資格職の「看護師」はどのくらいの年収が見込めますか?
子どもが看護師を目指しているけど「看護師って年収はどれくらい?」「採用市場はどうなっているの?」などの疑問をもっている人は多いかと思います。一般的に、看護師は安定した職業と捉えられていますが、自分の子どもが希望している場合、細かい点が分からず心配になる親も少なくありません。 そこで、本記事では看護師の平均的な年収や採用状況について解説します。
看護師の平均年収
看護師の平均年収は、厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」から推測できます。同資料によると、看護師(企業規模計(10人以上)の「きまって支給する現金給与額」は35万1600円、「年間賞与その他特別給与額」は86万2100円です。 調査時期は、前者が令和4年6月分の賃金など、後者が令和3年1~12月までの1年間となっています。以上をもとに算出すると、看護師の平均年収(概算)は約508万1300円(35万1600円×12ヶ月+86万2100円)です。 看護師の年収については、株式会社文化放送キャリアパートナーズが2023年に20~60代の看護師資格者を対象に実施した「転職意識調査」によると、年収400万~500万円未満の層が最も多くなっています。20代の割合は、38.6%、30代の割合は30.8%、40代の割合は41.7%、50代以上の割合は33.3%です。 参考に、年収に対する満足度も紹介します。20~40代は6割以上が不満(「どちらかといえば不満」と「不満」の合計)、50代以上は約6割が満足(「満足している」と「どちらかといえば満足している」の合計)と回答しています。年代により、年収に対する満足度は大きく異なるといえるでしょう。
看護師の採用状況
厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況(令和5年11月分)」によると、「保健師・助産師・看護師」の有効求人倍率は2.11(有効求人10万2315人・有効求職4万8486人)です。職業計の有効求人倍率は1.20(有効求人223万7677人・有効求職186万374人)のため、「保健師・助産師・看護師」は売り手市場といえ、仕事を見つけやすい状況といえるでしょう。 このように、看護師業界では転職活動が盛んな傾向です。株式会社文化放送キャリアパートナーズが発表している「転職意識調査」によると、30代は8割以上、20代は5割以上が転職活動を経験しています。 転職経験者における転職回数は、20~30代の8~9割が2回、40代以上の8割が3回までです。ちなみに、転職先決定に要する期間は1ヶ月未満が3割、3ヶ月以内が7割となっています。年代による大きな差は見られません。雇用が流動化しているため、経験を積めば条件の良い転職先を見つけられる可能性があります。