「日本一短い地下鉄」なぜ誕生? “ほぼ名鉄”でも市営地下鉄な1駅路線ができたワケ 幻の延伸計画も
わずか2分の旅
上飯田線の平安通駅は島式ホーム1面2線ですが、3番線はラッシュ時だけの使用で、電光掲示板には「今度の電車は4番線から発車します」との表示が見られました。4両編成の名鉄300系電車が入線すると、5分もせずに慌ただしく折り返していきました。 訪問したのは朝ラッシュの終わった午前9時半ごろでしたが、60~70人の乗客が下車し、30~40人ほどが乗り込んでいきました。ラッシュ時は8分、日中は15分ごとの運転であり、行先は犬山行きが大半ですが、朝夕のみ小牧行きがあります。 次の電車も300系でした。ロングシートと転換式クロスシートを組み合わせた座席配置は地下鉄としては珍しく、枕カバーも付いています。扉とクロスシートの間にある袖仕切りにテーブルまで備えられ、豪華な仕様です。 快適な転換式クロスシートに座ると、たった2分で上飯田駅へ。ちなみに、リニア中央新幹線が上飯田線の地下を横切っているようです。列車は犬山に行きますが、筆者は下車し、上飯田線の旅はあっという間に終わりました。 上飯田駅も1面2線島式ホームで、下車したのは数人のみ。ホームは6両分の長さがあります。駅窓口は名鉄が管理しており、名鉄の企画乗車券も買えるようです。エスカレーターやエレベーターが完備され、地下2階のホームと地下1階の改札口、改札口と中地下1階を結ぶエレベーター、中地下から地上を結ぶエレベーターの3基があります。 エレベーターで地上に出ると、市バスのターミナルがありました。3系統のバスに乗り換えられ、交通の要衝です。なお、地下鉄と同じで色分けされたバスの路線図があるのは非常にわかりやすく、名古屋市営地下鉄と市バスの連携を感じました。
安藤昌季(乗りものライター)