「仕事の話をすると馬乗りになって殴られた。許せず痛めつけようと…」 長男刺殺の父親は殺意を否認 鹿児島地裁初公判
同居する長男を包丁で刺殺したとして殺人の罪に問われた鹿児島市東坂元3丁目、飲食店手伝いの男(71)の裁判員裁判初公判が27日、鹿児島地裁であった。被告は「殺意はなかった」と起訴内容を一部否認した。 検察側は冒頭陳述で「飲食店を経営する被害者の働き方に不満を持ち、けんかになって激情した。台所から包丁を持ち出し被害者を刺した」と指摘。弁護側は「痛めつけようと思い太ももを刺した時に殺意はない。その後背中を刺した記憶は不鮮明で、殺意に基づくとはいえない」と主張した。 被告は被告人質問で「息子に仕事の話をすると馬乗りになって殴られた。許せなくて痛い目に遭わせようと太ももを刺した。その後のことは覚えていない」と述べた。 起訴状などによると、被告は2023年11月24日午後7時34分ごろから同48分ごろまでの間、自宅で長男=当時(48)=の太ももや背中を刃体約18センチの包丁で突き刺し、出血性ショックで死亡させたとされる。
南日本新聞 | 鹿児島
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