福井県が高浜原発3、4号の40年超運転を容認 知事「安全性は確保されていると認識」
原子力規制委員会から40年超運転の認可を受けた関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)=ともに加圧水型軽水炉、出力87万キロワット=について、福井県の杉本達治知事は7月9日、「(2基の)運転延長に理解を示す」と容認する考えを示した。40年超運転に合わせて関電が実施する蒸気発生器(SG)の取り換え計画についても、安全性が向上するとして了承した。 この日は中村保博副知事が関電の水田仁副社長(原子力事業本部長)と福井県庁で面談し、▽安全対策の徹底▽40年超運転の安全性・必要性に関する県民理解活動の強化▽立地地域の振興や課題解決に向けた取り組みの検討加速-の3項目を求めた。 水田副社長は「安全に対する投資を積極的に推進していく」と強調。地域振興については、今月中にも開かれる国主催の「共創会議」で検討状況を具体的に示す考えを示した。 この後、杉本知事は記者団の取材に応じ、2基の40年超運転に対する規制委の審査結果や県原子力安全専門委員会の議論に触れ「安全性は確保されていると認識している。今後とも事業者の対応を監視していく」と述べた。 SG交換では、高浜3号機が2026年6~10月、4号機は同年10月~27年2月の定期検査時に最新設計のものに取り換える。関電によると、県内原発のSG交換は1997年の大飯2号機(廃炉)以来。交換していないのは大飯3、4号機の2基のみとなる。 高浜3号機は1985年1月、4号機は同6月に運転を開始し、ともに来年40年を迎える。現行ルールでは原発の運転期間は原則40年と定められ、規制委が認可すれば最長20年延長できる。規制委は今年5月に2基の運転延長を認可し、6月にはSG交換に関する原子炉設置変更も許可した。野瀬豊高浜町長は40年超運転とSG交換を容認する意向を県に伝え、県議会最大会派の自民党福井県議会も知事に一任していた。
福井新聞社