「新潟の応援団だった」新潟県立大学の元学長・猪口孝さん 火災で死亡 前新潟市長が悼む【新潟】
11月末、東京・文京区で発生したマンション火災で、新潟県立大学の元学長・猪口孝さんが亡くなりました。政治学者として国内外で高い評価を得た猪口さん。生前、親交があった前の新潟市長・篠田昭さんは「新潟の応援団だった」と胸の内を語りました。 【動画】「新潟の応援団だった」新潟県立大学の元学長・猪口孝さん 火災で死亡 前新潟市長が悼む【新潟】 11月27日、東京・文京区の猪口邦子参議院議員の自宅マンションで起きた火災。ポンプ車など30台以上が出動して消火活動にあたり、9時間後に鎮火。マンションの6階部分、約150㎡が焼けました。 焼け跡から見つかった2人の遺体は、猪口議員の夫と33歳の長女。夫の猪口孝さんは、新潟市出身の国際政治学者です。2005年に初当選した妻・邦子議員を支え、おしどり夫婦としても知られていました。 ■孝さんの妻・猪口邦子参院議員 「私たち夫婦にとって、今日は大事な日なんです。(Q.旦那様に言葉は?)ありがとう。」 猪口さんは新潟高校を卒業後、東京大学に進学。政治分析などで数々の功績を残し、去年、秋の叙勲で瑞宝中綬章を受章するなど、国内外で高い評価を得ました。2009年には、新潟県立大学の初代学長に就任します。 ■猪口孝さん 「人づくり・地域振興は県立大学から。燃えよ、田舎どもという感じにしたい。」 〝人をつくる〟学長として常々口にしていた言葉です。 ■猪口孝さん 「新潟県立大学なしに、新潟県の振興はない。地域への深い愛情と理解を持って、地域づくりを担う人材を育成していきたい。」 生前、親交があった前の新潟市長で新潟青陵学園理事長の篠田昭さん。突然の訃報に「まだ気持ちの整理がつかない」と胸の内を明かしました。 ■新潟青陵学園理事長 篠田昭前新潟市長 「信じられない・・。最初、猪口邦子議員の家だということだったが、こっちにとっては猪口孝さんのことが真っ先に頭に浮かんで…。」 最初の接点は1997年頃。 篠田さんが新聞記者だった時に、取材で猪口さんを訪ねたそうです。 ■新潟青陵学園理事長 篠田昭前新潟市長 「新潟はどう生きるべきかという話しを聞きに、東大の研究室にお邪魔した。なぜ東京一極集中が起きているのか、新潟はもっと新潟らしさ、地域特性を発揮しないと単なる一地方都市になるよと熱っぽく語り、教えていただいた。」 篠田さんが市長時代の2006年に、新潟市ゆかりの作家・坂口安吾の生誕100年を記念して創設した「安吾賞」の選考副委員長も務めました。新潟市のあり方についても、様々な助言を受けたといいます。 ■新潟青陵学園理事長 篠田昭前新潟市長 「やはり新潟の地域特性を踏まえた上で、自前の町づくりをやらないとダメだと。『困った時の猪口頼み』が新聞記者の時からだった。」 篠田さんは、猪口さんの人柄についてこう表現しました。 ■新潟青陵学園理事長 篠田昭前新潟市長 「猪口さんは明るい人で『ネアカの猪口』と言っていた。こちらを元気付け勇気づけてくれるパワーをもらえる人だった。新潟にとってはすごい応援団であり、猪口先生の功績に人づくりで報いていかなければならない。」