なぜ「品川34」ナンバーの「マクラーレン F1」がイタリアで話題に? 世界最古の自動車コンクール「コンコルソ・ヴィラ・デステ」の知られざる世界。
世界最古の自動車コンクールとして知られる「コンコルソ・ヴィラ・デステ」が、今年もイタリア北部コモ湖畔を舞台に開催された。会場はまるでスーパーカーの祭典? 歴史あるイベントにも変化の兆しあり。イタリア・シエナ在住の人気コラムニスト、大矢アキオ ロレンツォが現地からリポート。全3回に分けてお届けする。今回はその第1回。 【写真】品川34ナンバーのマクラーレンF1のほか、珠玉のスーパーカーが大集合(全9枚)
軽妙なジョークとともに
自動車エレガンス・コンクール「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」が2024年5月24日から26日までイタリア北部コモ湖畔のチェルノッビオで開催された。 同イベントは1927年に歴史を遡り、現存する世界最古の自動車エレガンス・コンクール(コンクール・デレガンス)とされる。初日の金曜日はグランドホテル・ヴィラ・デステでオーナーたちによるパーティー、続く土曜日は同ホテルで招待日と審査、そして最終日は別の館ヴィラ・エルバで一般公開、というのが毎年のカレンダーだ。BMWの歴史車両部門と前述のホテルが主催という形がとられている。 2024年は51台のヒストリックカーが8クラスに分けられて審査を受けた。パレードの司会役は、ジュネーブの古典車コンサルタント、サイモン・キッドストン氏だ。彼の巧みな話術は、一見とっつきにくい古い車にも来場者が興味を抱くきっかけとなる。専門的な知識とともに、多彩なジョークをはさんでゆくからである。 たとえば「007のジェームズ・ボンドが年金生活に入ったら、おそらくこの車に乗っていたでしょう」という彼のアナウンスとともに審査員たちの前に現れたのは、1966年「アストン・マーティンDB5」のシューティングブレーク仕様だ。“ボンドカー”で知られるDB5だが、このワゴン仕様はたった12台。それも参加車と同じ左ハンドル仕様は僅か4台だったという。 戦前のイタリア製超高級車ブランド「イソッタ・フラスキーニ」の1927年ティーポ8ASの紹介もしかり。絶世の二枚目俳優ルドルフ・ヴァレンティノが特注した車両だったが、彼はデリバリー前、1926年に31歳で急逝してしまう。実際は病死だったものの、すかさずキッドストン氏は「ヴァレンティノは、高額な車の請求書を見てしまったからでしょう」といったコメントを添える。
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