「まるで海外にいるよう」「女性ウケも抜群!」…。東京・日本橋「カミサリー日本橋」は“超絶おしゃれ”なフードコートだった
例えば「2杯目のビール。」であれば醸造所も併設しており、北出TACOSもコーンからトルティーヤ生地を作る、セントラルキッチン的な立ち位置の店舗になっているという。 一部店舗はそうした工場的な様子を外から見られて、ほんのちょっとした工場見学のような気分に浸れる。いわゆる体験型消費というやつか。 客席は全体で100席もないくらいで、午後3時過ぎというやや中途半端な時間ではあったが、結構賑わっていた。
目立ったのは若い女性が多いこと。のんびりと語らうにはうってつけの場所なのだろう。 その他、外国人もそこそこ多い。いずれにしても、他のフードコートではあまりない客層である。通常のフードコートとは異なる空間設計が、こうした客層を呼び込んでいるのだろう。 ■とにかく気分がアガるフードコートだ おやつ時という時間帯もあってか、一番人気はsweetie shop GRANDPA。陳列しているカラフルなドーナツやケーキの中から、アップルパイを注文した。
あたために5~10分ほどかかるとのことなので、その隙に他の店も物色しよう。 アップルパイに合わせる観点から、TORIBARでアメリカーノのホットを注文。要はホットコーヒーなのだが、名前が違うだけで気分がちょっとアガる。エスプレッソチャイやシトラスコーラといったおしゃれ系メニューが結構あった。 これでフィニッシュかと思ったが、PIZZA SLICEがずらっと並べているピザに目を奪われた。 フードコートでは「欲望に忠実に、食べたいものを食べたいだけ」が原則である。「ハム&カマンベールスライス」を1枚注文すると、大きなピザオーブンで温め直してくれて、これまた気分がアガる。
■「組み合わせ」の楽しさを再発見 そんなこんなで、今回はピザ&アップルパイにコーヒーのセットが完成した。 ここが伝統のある日本橋の街、ということをつかの間忘れるアメリカンな組み合わせである。 ピザはスライス1枚とはいえ、結構な大きさ。まず一口はクリスピーな感触があるが、噛むとクリスピーなだけではない厚みも感じて、普段ピザといえば宅配ピザくらいの身からすると、初体験。 くだくだ述べたが、要するにうまい。チーズやハムもしっかり載っており、これで660円はかなり満足感がある。
アップルパイは中身ぎっしりで、ただ甘いのではなくスパイスがしっかりと効いている。コーヒーとの相性抜群である。 ■穴場にして至高のフードコートだった 今回は「アップルパイ&コーヒー」という組み合わせだが、「ピザとビール」、あるいは「タコスとビール」。 はたまた「ドーナツとコーヒー」といった形で、各店舗の組み合わせが通常よりも楽しいフードコートと感じる。 それにしても、日本橋にこんな場所があったとは。店舗を組み合わせる妙や、空間そのものの楽しさなど、従来のフードコートにはない楽しみ方を発見できる、穴場であった。
鬼頭 勇大 :フリーライター・編集者