「キャラクターを自分に引き寄せていく」竹内涼真が語る「実写化の醍醐味」
年を重ねるごとに正直になっている
――つまりは、自分の人生の中の痛みや苦さもひっくるめて心を動かし続けたり、経験値を積んでいくことが芝居につながっていく感覚ということ? 「そうですね。プライベートが充実していないと、僕が理想とする充実したお芝居はできないと思っています。だからプライベートを充実させようと思って日々生きています。僕から生まれる表現だから、自分が満たされていないと、やっぱりいい表現にはつながっていかないんです。 それに、年を重ねていくごとに自分の感情に嘘をつくことがどんどんできなくなってきていて、正直になっています(笑)。なんでもわかってしまう大人になりすぎてしまうとつまらなくなっちゃう。もちろん上手にコントロールしながらですけど、20代の頃よりも今のほうがずっと正直です」 ――『龍が如く ~Beyond the Game~』における竹内さんの新しい挑戦とは? 「新しさでいえば、毎回新しい感覚で役に向きあっています。撮影していたときは30歳だったのですが、その当時にしかできない芝居をしていますし、もう一回、同じことをやろうとしてもできない。それは今までのすべての作品がそうだったように、これから出会う作品もそうなるはずです。 ただ、この作品は今までで一番長く準備期間があって、いつも以上に役を作り込めた作品でした。芝居をする環境としてとても贅沢でしたし、武組という現場こそが僕がこれまで10年間頑張ってきたご褒美だったと思います。こんなに充実した現場はなかったですし、こんなにキツイ現場も初めてでした。僕が作り上げたい桐生一馬の姿が明確だったからこそ、メンタルもフィジカルも妥協することなく追い詰めていくことができました」
芸歴10年経ったけれど、ここからがスタート
――デビューから10年という節目の年でもある竹内さん。これまでを振り返って思うことは? 「基本的に過去を振り返ったりはしないのですが、これまでの10年間のすべての経験が、これから30代も俳優として生きていく上で、必ず役立つと思っています。10年かけて、やっと自分が思い描いているステージに行くための準備が少しずつできてきたかなといった感じなので、僕としてはここからがスタートなんです。 僕は自分の表現を世界中の人に見てもらいたいから、そういうモチベーションでどの現場も臨みたい。あとは、より一番好きな自分になるために、ここからさらに自分の好きなことを極めていく感じですね。憧れているものがないので、どういう自分になっていくか? 自分をどう面白がっていこうか? それが一番の楽しみです」 竹内涼真(たけうち・りょうま) 1993年4月26日生まれ。東京都出身。2013年デビュー。2014年に『仮面ライダードライブ』で主演を務める。主な出演作に、ドラマ『君と世界が終わる日に』シリーズ、『六本木クラス』『Believe-君にかける橋-』、『ブラックペアン2』など多数。 ジャケット 451000円、ニット 参考商品、パンツ 154000円、シューズ 165000円/すべてFerragamo(フェラガモ・ジャパン/東京都中央区銀座7-8-2 電話0120-202-170) 撮影/生田祐介 スタイリスト/徳永貴士(SOT) ヘアメイク/佐藤友勝 取材・文/長嶺葉月
FRaU編集部