岩田康を背に馬場へ向かうノースブリッジ（右）。左は岩田望を背に馬場へ向かうホウオウビスケッツ＝美浦で

　復活を期す実績馬と、一躍台頭を目指す新興勢力が激突する構図の「第１７０回天皇賞・秋」（Ｇ１、２７日、東京・芝２０００メートル）。奥村武厩舎はこの夏、出世の足がかりをつかんだ２頭を送り出す。函館記念勝ちのホウオウビスケッツと札幌記念勝ちのノースブリッジ。どちらも岩田康のお手馬もホウオウビスケッツは息子・岩田望を起用。同厩舎２頭を親子起用で臨む。 　夏の北海道で芝２０００メートルの祭典を制した奥村武厩舎の２騎が、秋は同じ２０００メートルの日本一を一緒に目指す。 　函館記念勝ちのホウオウビスケッツは前哨戦の毎日王冠で逃げ粘り２着。札幌記念勝ちのノースブリッジはひと息入れて直行ローテ。両方ともお手馬の岩田康は体が２つほしいところだっただろう。ホウオウビスケッツは息子・望来が騎乗する。 　１週前追い切りには父子で美浦に足を運び、それぞれ攻め馬に乗った。ノースブリッジは、かなり先を行く僚馬を伸びやかにとらえて併走先着。岩田康は「直線はバランスよく走れていたかな。順調と思います」と、高いレベルの仕上がりを確信していた。担当の杉木助手も「精神面と肉体面がマッチしていい感じに。挑戦もしやすくなりました」と、自信を持っている。 　ホウオウビスケッツを預かった岩田望は、ともすると重く感じそうなプレッシャーなどどこ吹く風。１週前追い切りの単走から下りると「父から聞いていた通り、すごく乗りやすくて操縦性の高い馬ですね。イメージ通りの長く脚を使える馬。親子でＧ１に乗れること、奥村先生に感謝しています。ご了承いただいたオーナーにももちろん。父をやっつけるっくらいの気持ちで乗ります」と、やる気だ。今年に入って５戦２勝。複勝圏はパーフェクト。中尾助手は「２歳のころとは別馬というくらいよくなりましたよ。幅も出て背中もかなりいい。少し臆病なところもよくなりましたし」。心身の成長を伴って結果も安定させた。 　夏に結果を出した成長株はこの大一番で２頭ともに楽しみな存在。この同厩ワンツーが決まれば、これがホントの”親子丼”！？