【高校野球】サッカー・町田の下部組織出身、桐光学園・矢竹開が“古巣”の試合会場の隣で満塁本塁打
◆春季神奈川県大会 ▽2回戦 桐光学園14―0横浜翠陵=5回コールド=(7日・等々力) 桐光学園の俊足強打の1番・矢竹開(やたけ・かい)中堅手(3年)が、満塁本塁打を含む2安打6打点で初戦コールド勝ちに貢献した。 6点リードの3回1死満塁で、「体の中に入れて、しばき上げた」とチェンジアップを仕留め、右翼芝生席へ特大のアーチを描いた。昨秋は関東大会8強に進みながら、センバツに選ばれず補欠。50メートル6秒0の矢竹をはじめ、チーム全員で「機動力だけじゃダメ。日本一になるには長打が必要」と意識を変革した。 レギュラーで最も小柄な170センチの左打者はこまめに補食を取り、体重64キロから73キロに。オフの間に「1か月で体重1キロ増」のチーム目標を大きく上回り、ベンチプレスで107・5キロと筋力も増した。「体の前で捉えるよりも、内側で。差し込まれても、しっかり軸足で回れるようになった」。低反発の新基準バットでは5本目のサク越えで、高校通算本塁打は10本を超えた。 スワローズジュニア、U12日本代表に選出された小学6年まで、サッカーと二刀流。町田の下部組織でFWとして活躍した。J1に昇格した“古巣”の試合結果は欠かさず、チェックする。「前半からハードワークで、ロングスローなど自分たちのやれることをしっかりやって、勝っているのはすごい。前半からチームの強みを出すことは、野球にも通じるところだと思います」。 この日は町田が川崎戦に乗り込んだ「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu」に隣接する球場で、2回には右越え2点三塁打。続く「2番・投手」で出場したドラフト候補の遊撃手・森駿太(3年)の高校通算37号2ランを呼び込んだ。「甲子園に行けなかった悔しい思いは、2度としない」と矢竹。誓いを込めて、バットを振り抜く。(雑誌『報知高校野球』取材班)
報知新聞社