嵐・相葉主演「貴族探偵」好評 原作ファンを味方につけるドラマの条件とは
人気グループ「嵐」の相葉雅紀主演の月9ドラマ『貴族探偵』(フジテレビ系)が4月17日にスタートした。 初回、平均視聴率は11.8%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)と、このところ苦戦が続いていたフジテレビの“月9”ドラマとしては、3クールぶりとなる初回2ケタ視聴率を記録し、まずまずの好発進となった。 ドラマの原作は麻耶雄嵩(まやゆたか)氏の同名小説と続編『貴族探偵対女探偵』。 麻耶氏は、2011年に『隻眼の少女』で、第64回日本推理作家協会賞、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞した実力派だ。 独特の世界観と予想外のストーリー展開、斬新なトリックは分かりにくいという声もあるが、一方で熱狂的な読者=“麻耶クラスタ”によって支持されており、麻耶作品初のドラマ化は麻耶クラスタの期待も大きかった。
話題性優先のキャスティング、大衆ウケするストーリーアレンジが不評を買うケースも
その一方で、過去には数多くの人気の小説や人気漫画がドラマ化、映画化されてきたが、原作ファンの反発を買うことも少なくない。 テレビ誌ライターは語る。 「原作ファンをガッカリさせる要因としては、役者がイメージと違う、設定やストーリーが変更されているなどが挙げられます。オリジナルに思い入れのある読者からすると、原作の人気に乗っかって、安易に実写化して欲しくないという思いがある。ドラマなら視聴率、映画なら興行収入を意識して制作されるため、話題性を優先して原作のイメージとかけ離れた旬の俳優や女優をキャスティングしがち。内容に関しても大衆ウケしやすいものに作り変えられてしまう。こうした制作サイドの都合が、原作ファンの怒りを買い実写化を失敗させています」 そんな中、数少ない実写化の成功例と言われているのが、06年にフジテレビ系でドラマ化されたクラシック音楽を題材にした人気漫画『のだめカンタービレ』だ。 芸能評論家の市川大介氏は語る。 「上野樹里、玉木宏のW主演でドラマ化された同作品はキャスティングの妙、原作に忠実なコミカル感、そして漫画では表現できない“音”、演奏シーンが高い評価を受けました。売れっ子俳優をドラマの顔とせず、原作のイメージを優先し、当時まだブレーク前だった上野と玉木を起用した点が成功に繋がった印象です」 その後、「のだめ」はドラマだけでなく、映画化もされ、空前のクラッシックブームを起こすキッカケともなった。