初出場4強の快挙…東海大相模はなぜ強い? 旋風を巻き起こすチームに集まる"Jユース級”選手
初出場の東海大相模はベスト4に進出
第103回全国高校サッカー選手権大会は1月4日、UvanceとどろきスタジアムBy FUJITSUなどで準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決まった。神奈川県勢として初優勝を目指す初出場の東海大相模が、昨夏のインターハイ王者・明秀日立(茨城)に2-1で逆転勝ちし、1月11日の準決勝(14時20分・国立競技場)で流通経大柏(千葉)と顔を合わせることになった。 【実際の映像】「これ入るの?」「さすがプロ内定」流経柏逸材ドリブラーが決めた圧巻ゴラッソの瞬間 3分の追加時間が終わり、タイムアップの長い笛が鳴り響いた瞬間、有馬信二監督は派手なガッツポーズをつくったあと、4人の指導陣と抱き合って喜びを爆発させた。前半34分、右コーナーキックからセンターバックの久保遼真にヘディングシュートを決められ、明秀日立に先手を取られたが、アディショナルタイムに入る直前に追い付いた。これが効いた。 ここまで無得点だったエースの沖本陸が、小林晄也の右クロスにヘッドで合わせたボールはゴールキーパーの頭上を破る同点ゴール。決戦前日、有馬監督の妻・純子さんが「沖本君(のゴール)がまだなんでしょ」とささやくと、「明日取るんじゃないかな」と返した指揮官の言葉が現実になった。 初得点の背番号10は「2、3回戦とも何もできなかったので決められて良かった。練習でもあの形をやっていたので入るかなと思ったんです」と顔をほころばせながら、静かな口調でゴールシーンを振り返った。決勝点は後半25分だ。相手のクリアを拾った沖本が強烈なシュート。高畑旺崇が足元に転がってきたボールを左足で蹴り込んだ。 東海大相模といえば野球部と柔道部が全国区の強豪だが、サッカー部の知名度ははるかに低い。4度出場したインターハイにしても、神奈川第2代表だった昨夏のベスト16が最高成績で、“選手権”とは縁遠かった。ところがこのチームは、県予選決勝トーナメント準決勝で難敵の日大藤沢をPK戦で破り、横浜創英との決勝は2-0の快勝。悲願の選手権切符を手に入れ、晴れ舞台に参陣しても3連勝して堂々の準決勝進出である。