尾上菊之助、女形屈指の難役「政岡」7年ぶり 「3人の運命共同体」でポスター撮影
歌舞伎俳優の尾上菊之助(46)が5月2日に東京・歌舞伎座で開幕する「團菊祭」(26日まで)夜の部「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」で女形屈指の難役、政岡を7年ぶりに演じる。このほど長男・尾上丑之助(10)、中村歌昇(34)の長男・中村種太郎(8)とポスター用のスチール撮影に臨んだ。 政岡は幼君、鶴千代(種太郎)の乳人(めのと)。忠義で自分の息子、千松(丑之助)は幼君の身代わりに命を落とす。事切れる息子を前に微動だにしない精神力と深い母性がせめぎ合う。何度か演じている場合、衣装姿の写真は新たに撮影しないことも多いが、菊之助は「前回から年月がたち、この3人は運命共同体ですので」とスリーショットでの撮り直しを志願した。 撮影中、緊迫した政岡のオーラが漂う。「役の心情がポスターからも伝われば。かわいらしい種太郎さんからは若君としての芯を感じますし、丑之助の千松は子どもらしい初々しさを。舞台でもそれぞれ3人の決心をご覧いただきたい」。丑之助は「本当は泣きたいけど我慢する場面が難しいですね」。種太郎は「背中の姿勢に気をつけてがんばります」と話している。
報知新聞社