念願のツアーカード取得 大西魁斗はPGA昇格に「涙が出ました」
米国男子下部のコーン・フェリーツアーで奮闘してきた大西魁斗が、先週行われた最終戦を終えて年間ポイントランキング25位に入り、来季PGAツアーへの昇格を決めた。幼少期からの夢を実現し、今の想いを語った。 角度がすごい! 大西魁斗のドライバースイング【連続写真】 激戦の最終戦を終えて帰国した大西。「日本に帰ってきて、両親にもツアーカードを見せられましたし、気持ちとしてはホッとしています。やっと日本に帰ってきて休めるという感じです」と穏やかな表情でこれまでを振り返った。 「1年間このために戦ってきたので、本当にうれしかったです。家に火事があったら、これだけは燃えないように、ポケットに入れて家から出ます(笑)」。念願のツアーカードを手にし、ジョークも飛び出す。といっても、それが本心だ。世界中のゴルファーが目指す頂点のツアーに参戦するための証し。気持ちが高ぶらないわけはない。 9歳で渡米し、丸山茂樹と出会った。「そのときから目標はPGAツアーで、どういう風に(PGAツアーに)たどり着けるか描けていなかったけど、同じ舞台でやれるのは誇りに思うし、丸山プロの刺激があったのでここまでこられた」。シーズン中も連絡をとり、結果や現状を報告。スタートラインに立てた喜びを伝える際も「涙が出ました」と恩師への感謝の想いがあふれ出したという。 最終戦を終えてランキング30位以内が昇格のライン。大西は同28位で大会に入った。3日目まで大きく落とすことなく進み、ボーダーを上回る位置で最終日に突入した。「最初の2日間は(落としても)まだ取り返せると思っていたけど、最終日の後半はすごく緊張して、食べ物も入らないくらい。でも最後まで集中してできたのは、成長したということ」と、張り詰めた空気のなかで得たツアーカード獲得で、自信も芽生える。 出場優先順位は低く、上位しか出場できないシグネチャー大会などのビッグトーナメントへの参戦は確定していない。「来年1年目でスタートダッシュして上位を目指していきたい。再来年のシードも決めて、大きな試合にも出られるようにしてきたい」。出られる試合で上位入りを続ければ、直近のシグネチャー大会への出場権も得ることができる。まずは、コンスタントに成績を残すことが先々につながっていく。 「両親にはここまで来るのにいろんな苦労をかけたし、自分も努力をしてきたつもりだったので、本当にうれしいです」と手放しで喜ぶと同時に、来年に向けて気を引き締める。「やっと舞台に立てたところ。自分のベストを尽くしていきたい」。松山英樹、久常涼とともに戦う2025年シーズン。ここからが本番だ。