直木賞作家・大沢さん今治で講演 「新宿鮫」へ思い熱く
ハードボイルド小説「新宿鮫」シリーズで知られる直木賞作家・大沢在昌さんの講演会が、今治市波方町樋口の市立波方図書館であり、作家になった経緯や作品への思いを語った。 名古屋市出身の大沢さんは、中日新聞社記者だった父の勧めで子どもの頃から読書に親しんだと回想。「中学で初めて小説を書き上げ、高校2年時に年間千冊の本を読んだ。その経験が自分の血肉になっている」と強調した。 1979年に第1回小説推理新人賞(双葉社主催)を受賞しデビューしたが、91年にアウトローの刑事を主人公とする「新宿鮫」がヒットするまで時間がかかった。「小説を出しても初版で終わっていたが、新宿鮫は口コミの連鎖で売れた。続編を書き上げた時、初めて『読者をがっかりさせることはない』と確信できた」と話した。
愛媛新聞社