賞金王「多くの選手にチャンスがある」石川遼が通算20勝目でランク5位浮上 残り3戦で09年以来の栄冠なるか
◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(10日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70) 【写真】「おすすめなんだけど広まってほしくない」石川遼の”マル秘”勝負メシ 首位と1打差の2位から出た石川遼(33)=カシオ=が、逆転で大会単独最多の4勝目を飾った。5バーディー、2ボギーの67をマークし、通算11アンダー。6月のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品以来の今季2勝目は、ツアー12人目となる通算20勝目となった。3人が並んで迎えた最終18番でバーディーを奪い、混戦に終止符を打った。優勝賞金4000万円を獲得し、賞金ランクは5位に浮上。残り3戦で、2009年以来自身2度目の賞金王返り咲きの可能性も出てきた。 大歓声の中で両手を高く突き上げた。谷原、河本と10アンダーで首位に並んで迎えた18番。雨の中で石川は20センチのウィニングパットを沈め、バーディー締め。「最後まで諦めず、すごくいいゴルフができた。チャンスが最後の最後に来たので我慢していてよかった」。世界遺産・富士山の麓の得意コースで大会4勝は尾崎将司、中嶋常幸らを抜き単独最多となった。「小学生から憧れの舞台。毎年、非常にやりがいを感じますし、本当に幸せ者」と勝利をかみしめた。 6番のパーセーブから流れに乗った。グリーン左バンカーからの第3打を1・5メートルに寄せた。これを沈めると、7番パー3の8アイアンで振り抜いた一打は、ピン手前10センチにピタリ。ホールインワン寸前のショットに、どよめきと歓声が起こった。9番まで3連続バーディーで順位を上げた。 16回目の出場で初のコースマネジメントが光った。6番、9番でドライバーでの第1打が左林に行くことを嫌い、ほとんどティーアップしない選択をした。「毎年、どのティーショットが安全かを考えている。右も林なので滞空時間を短くしたかった」と狙いを話した。その2打を徹底するために今週は毎朝、直ドラの練習をする姿も見られた。「コースは大好きだけど6、9番など気持ち悪いホールもある。今週はそこを完全に攻略できた。ティーショットで優勝の確率を上げられた」と振り返る。4日間のフェアウェーキープ率は71・43%と、大会4勝の中で最も好成績だった。 通算20勝も石川にとっては通過点でしかない。「20勝だから節目という思い入れはない。勝利数は客観的な指標」。賞金ランク5位(約3000万円差)に浮上して過去2勝と好相性のメジャー、日本シリーズJTカップ(28日開幕・東京よみうりCC=報知新聞社主催)など今季は残り3戦。09年以来の賞金王も射程に入るが「僕の名前なんか誰も考えてなかったと思う(笑い)。多くの選手にチャンスがあると思う」と石川。千両役者が終盤戦の主役に名乗りを上げた。(富張 萌黄) ◆石川に聞く ―12、22年の優勝時も雨だった。 「本当ですね。何でなのか分からないんですけど。なんとか今回は持ってくれた方だと思う」 ―17番でほかの選手との差は把握していたか。 「谷原さんが(18番で)ボギーを打ったのをボードで見て、バーディーパットを打って、1・2メートルオーバーした。そういった状況に左右されて、まだまだだなと」 ―この大会の好きなところ。 「コースもそうですし、雰囲気も、練習グリーンにあるスコアボードもいい。アマチュアで出させていただいた時から、勝てなくてもこの大会は好き」 ―18番の印象。 「多少ロケーションが変わっていると思うんですけど、気が抜けない最終ホール。今週は北風が多く、18番の難しさが生かされる風向きの中でのプレーでした」 ◆三井住友VISA太平洋マスターズの優勝回数 石川が4勝(2010、12、22、24年)で単独最多。3度は尾崎将司(1973、92、94年)、中嶋常幸(85、02、06年)、英国のリー・ウェストウッド(96、97、98年)の3人。72年に第1回大会が行われ、今年で52回目。01年から現行の大会名。 ◆石川 遼(いしかわ・りょう)1991年9月17日、埼玉・松伏町生まれ。33歳。6歳でゴルフを始め、杉並学院高1年時の2007年5月にツアー初出場のマンシングウェアKSBカップで15歳8か月3日の世界最年少V(当時)。08年1月にプロ転向。09年に世界主要ツアー最年少18歳2か月19日で賞金王に。13年から米ツアーに5季参戦。17年に国内復帰後、19年に3勝するなど、通算20勝。175センチ、75キロ。家族は妻。
報知新聞社