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（ブルームバーグ）： インフレ率が目標に近づいているため欧州中央銀行（ＥＣＢ）には金利をさらに引き下げる余地があるが、インフレの上振れリスクに細心の注意を払う必要があると、政策委員会メンバーのパツァリデス・キプロス中銀総裁が述べた。

ユーロ圏経済が減速しているのは間違いなく、直近の予測が示唆するよりも弱いことが判明するかもしれないと、パツァリデス氏は指摘。だが、それと同じことが物価については言えないため、政策当局者は慎重に行動し、拙速な金融引き締め解除を避けるべきだと主張した。

国際通貨基金（ＩＭＦ）の年次総会出席に際してワシントンでインタビューに応じたパツァリデス氏は、「インフレに予想外の上振れがなければ、ＥＣＢは利下げ継続が可能で、そうすべきだ」と発言。「新たな予測を含めさらに多くのデータが出てくる12月は、重要な月になる。よりよい立場から、ＥＣＢの政策姿勢を判断できるだろう」と語った。

パツァリデス氏はボラティリティーと不確実性を避けるため「深い利下げ」に反対し、緩やかな措置を支持すると表明。0.5ポイントの利下げは「状況が著しく悪化する場合」にのみ正当化されるだろうとの認識を示した。

「ユーロ圏経済は減速しているが、依然としてソフトランディングに向かっている」と述べ、「だが、もちろん地政学的な衝撃などのリスクはある。世界の環境はより危険で予測不可能になりつつある」と続けた。

原題：ECB’s Lingering Inflation Risks Warrant Caution, Patsalides Says（抜粋）

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