【イベントレポート】杉田雷麟主演のホラー「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」は静寂な時間も怖い
ホラー映画「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」のワールドプレミアが、本日10月30日に第37回東京国際映画祭のアジアの未来部門で開催。キャストの杉田雷麟、平井亜門、森田想、監督の近藤亮太が上映前の舞台挨拶に登壇した。 【画像】「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」舞台挨拶にて、カメラにピースを向ける平井亜門 第2回日本ホラー映画大賞の大賞受賞作を長編映画化した本作は、母から弟・日向の失踪にまつわる1本のビデオテープを送られた主人公・兒玉敬太が、忌まわしい過去をたどるべく動き出す物語。敬太を杉田、敬太に力を貸す霊感のある同居人・天野司を平井、彼らとともに日向の失踪事件を追う新聞記者・久住美琴を森田が演じた。 近藤は、今年話題を呼んだテレビ東京の特別番組「TXQ FICTION」の第1弾「イシナガキクエを探しています」の演出を手がけ、本作で商業映画デビュー。去年3月から行った本作の撮影を振り返り、「1年半以上かかって今日を迎えられ、本当に感無量です」と感慨にふけっていた。 ホラー映画での身体表現や演技について問われた杉田は「僕はまだ幽霊を見たことがないので、リアルな反応はわからないなと最初は思ったんですけど、よくよく思い返すと芝居自体が全部自分の想像でしかないなと。なので、芝居の方向性が合っているかを監督と相談しながらやっていきました」と回想。平井は「YouTubeなどでオカルトのお話をいっぱい聞いて想像しました! あとは近藤監督と共通で知っているマンガやキャラクターを参考に現場で合わせていきました」と述懐する。森田は「ホラーという側面があるからこそ面白くなっているものの、すごく映画的ですし、派手なことが起きるわけではない、皆さんが想像するものとはまったく違ったアプローチでできた“静”が特徴的な作品。その雰囲気を壊さないよう、過剰なことはしないということを意識していました」と語った。 観客に向け、近藤は「僕自身、ジャパニーズホラーと言われる作品群を観て育ってきて、自分もそういう映画を作りたいと思っていました。自分が子供の頃に感じた怖い気持ちを、改めて皆さんにも味わっていただきたいと思います」と呼びかける。森田は「“度を越した怖さ”になっています。初号試写のとき、その怖さに驚いて後味を引きずったので、皆さんにも楽しんでほしいです」と述べた。 また平井は「忍び寄ってくるようなホラー映画です。五感を研ぎ澄ませて楽しんでほしいと思います」とコメント。杉田は「この作品は映画館で観るのが一番いい映画だと思っています。わかりやすく音で脅かすのではなく、静寂な時間でさえもこの映画館の環境であれば、『何か怖いものが裏に潜んでいるかもしれない』と思える。そういうものを受け取って、僕が台本を読んだときに感じた気味の悪さに共感してほしいです」と話した。 「あのコはだぁれ?」の清水崇が総合プロデューサーを務めた「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」は2025年1月24日に全国で公開。なお第37回東京国際映画祭では、東京・丸の内ピカデリーにて11月2日20時15分からの上映も予定されている。 (c)2024 「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会