バレー髙橋藍選手「辛い状況を乗り越えた先に、必ず強い自分がいた」。逆境を乗り越える強いメンタルの秘密
「明日の私をMAKEしよう」をテーマに、各界の話題の人にインタビューする本企画。今回登場してくれたのは、バレーボール選手として初めてコーセーとスポンサー契約を結び、雪肌精のアンバサダーに決定した髙橋藍選手。バレーボール界注目のスター選手に、日々の美容習慣や逆境を乗り越える強いメンタルの秘密に迫った。 【写真】バレーボールプレイヤー・髙橋藍選手
ヴェロバレー・モンツァ 髙橋 藍さん
2001年9月2日生まれ、京都府出身。イタリア・セリエAのヴェロバレー・モンツァ所属。小学2年生のときに兄の影響でバレーボールを始め、東山高等学校時代にキャプテンとして全国優勝。日本体育大学に進学し、2021年のネーションズリーグで国際大会デビュー。同年、史上最年少の19歳でオリンピック出場を果たした。2023年のパリ五輪予選では出場権獲得に貢献。
子供のころから目立ちたがりで、注目を浴びることが大好き。応援してくれるファンの存在はモチベーションに直結しているし、「注目されるからこそ自分自身のプレーが向上していくことは間違いない」と断言する。彼がファンに与える影響力も絶大で、2023年11月にXで「そろぼち髪切るか」と投稿すると、世界中から「Noooo」など500件近いコメントがついたほど。 「日本人の方は長い髪が好きみたいで、海外の方は『短くてもいいよ』という方もいたり。国によって好みが違うこともおもしろかったです(笑)。3年前にパドヴァに移籍したときは、現地に日本人の美容師がいなかったんです。イタリア人の美容師さんに切ってもらっていたのですが、『短くしないでね』と言っても結構バッサリ切られたり。最初の2年間は結構、苦労しました(笑)」 2023年にミラノ近郊の都市モンツァに拠点を置くヴェロバレーに移籍してからは、ミラノ在住の日本人美容師に担当してもらっているそう。 「もともとくせ毛ではあるのですが、高校卒業後はパーマをかけることにもハマっています。ヘアスタイルにこだわりはそれほどないけれど、プレーの邪魔にならないように前髪は目にかからないようにオーダー。ヘアカラーもしているので、お風呂上がりにはオイルをつけてケアしています」 イタリアでの挑戦を始めて3シーズン目。ほぼ毎日自炊をし、1回の食事で2合近くのご飯をたいらげ、週3回のウエイトトレーニングで筋力が格段にアップ。「ジャンプやスパイクの感覚が変わってきている」と実感するほど攻守で活躍を見せていた。 ところが1月24日の試合中、左足首を負傷するというハプニングに見舞われ戦線を離脱した。 「少しずつ動けるようにはなっていますが、今はまだすぐにプレーができる状態ではありません。試合に復帰できるまでにはもう少し時間が必要です。とはいえ、自分の感覚的にもひどい状況ではないと思っています。 インタビューはケガの直後に行われたものの、髙橋選手の表情は意外なほど穏やかだった。コーセーの広告コピー「逆境すら楽しむ、それが自分を強くする」をまさに体現しているのでは? 「そうですね。試合と練習を繰り返すハードな毎日だったので、今は休めるチャンスだと思っています。トレーニングでしっかり身体を作って、試合に戻ったときにまた強い自分になっていたい。そのために準備をしておきたいと思っています」 華々しい活躍のニュースの裏には、計り知れない葛藤と地道な努力、それを続ける強靭な精神力が。私たちがスポーツ選手に魅了されるのは、そのひたむきな姿に胸を打たれるからだろう。恵まれた体格と身体能力、そして目を引く端正なルックスの髙橋選手は紛れもない「美しい人」だけれど、彼が「美しいと思う人」はどんな人なのだろう。 「僕が美しいと思うのは“強い人”。自分の意思をしっかり持っている人や意思を曲げない人には魅力を感じます。そういう意味でいうと、同じくイタリアでプレーしている石川祐希選手はとても尊敬できる方。強いし、美しいと思います」 今年の夏には、世界最大のイベントを控えている。 「自分自身がしっかり戦っていけるように、まずはケガを克服して最大限強くなっていきたい。目標達成のために、成長していかなければいけないと思います。僕は自分のためにバレーボールをしていますし、人生を賭けています。でも、戦っている姿を見た観客のみなさんに、少しでもいい影響を与えられる存在になりたい。自分が自由に、のびのびと戦っている姿を見て楽しんでもらえたら」 逆境の只中にいながらも、常にポジティブな言葉を口にして前を向く。ケガを乗り越えてさらに強さを手にした髙橋選手は、夏のパリできっと、美しく輝いているはずだ。 写真提供/コーセー 取材・文/松山梢 企画・編集/福島美歩(MAQUIA ONLINE)