避妊や月経困難症改善だけではない…“ピル”服用で胸が大きくなるって本当? 専門医の見解は「あくまで薬による副作用による胸の張り」
一般的には、避妊や月経困難症などの改善に用いられる“ピル”。なかには、「飲むと胸が大きくなる」ということをSNSなどで目にし、それを鵜呑みにして万能薬と捉えている人もいます。バストアップの真相と服用時の注意点について共立美容外科の遠山貴之さんに話を聞きました。 【画像】1つでも当てはまったらサイズが合っていない可能性大! ブラのサイズチェック方法 ◆ピルを飲むと胸が大きく可能性もあるが、服用を中断した場合は元のサイズに戻る 経口避妊薬の「ピル」は、一般的には低用量ピルを指すことが多いです。女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)を配合し、服用することで作為的に血中の女性ホルモン量を増加させ、エストロゲンの分泌を止める働きがあります。 避妊だけでなく、月経困難症(生理痛)や月経前症候群(PMS)の改善、子宮内膜症の治療を目的として処方されます。主に、月経困難症や子宮内膜症の治療「超低用量ピル」、避妊や月経困難症の治療「低用量ピル」、整理日を移動させる際や女性ホルモンに関わる病気の治療「中用量ピル」、現在はほぼ処方されていない「高用量ピル」があります。いずれも、現時点では医師の処方が必要な薬です。 SNSでは、「ピルを飲むと胸が大きくなった」というコメントが散見されます。実際には、「確かにピルの服用で胸が大きくなる可能性はあります」と共立美容外科の遠山貴之さんは言います。 「低用量ピルには卵胞ホルモンとプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが含まれています。 そのため、服薬を始めることでホルモンバランスに変化があり、副作用として胸が張って大きくなったと感じるケースがあります」 加えて遠山貴之さんは、「あくまで薬による副作用なので、サイズを保証できるものではありません。バストアップ目的では処方されることはないでしょう。ピル本来の目的や副作用をしっかり理解する必要があります。根本的にバストアップを目指している場合は、美容外科専門医に相談しましょう」と注意を促します。