【キーンランドC展望】連覇狙うナムラクレアが不動の中心 勝負ムード漂う5戦5勝の〝洋芝巧者〟
[GⅢキーンランドカップ=2024年8月25日(日曜)3歳上、札幌競馬場・芝1200メートル] 日曜札幌のメインはサマースプリントシリーズ第5戦のGⅢキーンランドC。勝ち馬にはGIスプリンターズS(9月29日=中山芝外1200メートル)の優先出走権が与えられる一戦だ。過去10年を見ると、1番人気馬は3勝、2着2回という成績。6番人気以下の連対は6回あり、3連単の配当が10万円を超えたケースも3度ある。 中心を担うのは連覇を狙うナムラクレア(牝5・長谷川)だ。昨年は中団追走から4コーナーで早めに好位へ進出して、直線で力強く抜け出す横綱相撲。3歳時にはGⅢ函館スプリントSを制しており、洋芝では2戦2勝と巧者ぶりが際立つ。昨秋のスプリンターズSで3着、高松宮記念では昨年、今年連続2着と、GIにも手が届きそうな実績の持ち主。55キロで臨める別定戦なら負けられないところだ。 5歳ながらキャリア8戦と底を見せていないサトノレーヴ(牡5・堀)は、前走の函館スプリントSで重賞初V。長期休養明けで重賞初挑戦となった阪急杯4着以外、まだ連対を外していない戦歴は魅力だ。ワールドオールスタージョッキーズ参戦のため来日するダミアン・レーンとの初コンビで臨むが、堀厩舎との信頼関係は厚く、実力発揮に支障はないだろう。ここを勝つようなら、夏のスプリント王の座だけでなくGI戦線でも主役を狙える。 昨秋の豪ゴールデンイーグルを勝った後、今春も豪州、香港と転戦していたのがオオバンブルマイ(牡4・吉村)。昨年のGⅠ・NHKマイルC3着以来、1年3か月ぶりの国内戦となる。スプリント戦は初めてだが、祖母ルシュクルが芝1200メートル戦のみで3勝していたように、母系はスピード色が濃い。武豊とのコンビ復活でどんな走りを見せるか注目だ。
洋芝巧者も虎視眈々
重賞実績のある3歳馬の好走が目立つレース傾向があり、その点からはエトヴプレ(牝3・藤岡)の参戦が興味深い。GⅡフィリーズレビューを逃げ切り、桜花賞でも見せ場たっぷりの内容で5着と好走。前走のGⅢ葵Sこそ前残りの展開に泣かされたが、スプリント能力と自在性の高さは折り紙付きだ。53キロの利を生かすことができれば、古馬の壁を打ち破っても不思議ではない。 しらかばSで豪快な直線一気を決めたゾンニッヒ(牡6・池江)は、久々に川田将雅とコンビを組む。やや展開に左右される面はあるものの、ツボにハマった際の決め手は一級品。ダートでデビューし、芝中距離で3勝を挙げ、マイル戦を勝ってオープン入りしてからスプリント路線で開花するという個性的な足跡が目を引く。名手の手綱で重賞初Vを狙う構えだ。 函館と札幌で5戦5勝という文句なしの洋芝実績を誇るモリノドリーム(牝5・鹿戸)も、クリストフ・ルメールとの新コンビが心強い。洋芝以外では11戦して2着2回が最高だけに、得意舞台で勝負ムードが漂う。 UHB賞を制して復調を印象付けたプルパレイ(セン5・須貝)、先週の札幌記念(ノースブリッジ)を制して勢いに乗る奥村武厩舎の洋芝巧者キミワクイーン(牝5)、函館スプリントSの内容に見どころがあったオタルエバー(牡5・中竹)、1週前の動きが目立ったビッグシーザー(牡4・西園正)、追い込み一辺倒の脚質ながらジョアン・モレイラの騎乗が頼もしいエイシンスポッター(牡5・吉村)なども上位をうかがう。
東スポ競馬編集部