“地獄渋滞”国道246号の救世主!? 工事進む「厚木秦野道路」のスゴさとは 東名・新東名から「圏央道直結」新ルートで混雑緩和に期待!
神奈川県西部で東名・新東名をサポート
神奈川県西部の新たな「信号ゼロ」東西軸となる「厚木秦野道路」の整備が進んでいます。 完成すればいったいどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。 【画像】超便利!? これが「厚木秦野道路」のルートと工事状況です(29枚)
厚木秦野道路は、圏央道「圏央厚木IC」から西へ分岐したあと、新東名「伊勢原大山IC」、東名「秦野中井IC」とそれぞれ接続し、ふたたび新東名と「新秦野IC」で接続して終わります。総延長29.1kmです。 新東名・東名と並行する、というより絡みつくような計画ルートになっていますが、このおかげで各地の「連絡需要」をうまく満たしあうことができるようになっています。 まず「新秦野~秦野中井」では、途中の「渋沢IC(仮)」で、高速空白地帯である渋沢エリアの交通をうまく拾ってくる役割を果たします。 秦野中井ICでは東名の交通を一部引き取って、悪名高い渋滞ポイントの混雑分散に寄与します。 秦野中井IC~伊勢原大山ICでは、途中の「伊勢原西IC」で、意外と貴重な「国道246号直結」の役割を果たします。国道246号が渋滞していたら、そこで厚木秦野道路へ逃げられるというわけです。 伊勢原大山ICでは新東名から交通を引き取って、厚木まで直結する「新東名~圏央道」の第二ルートとなり、悪名高い「海老名南JCT」の渋滞回避に期待がかかります。※厚木秦野道路側のIC名は、正式には「伊勢原北IC(仮)」 伊勢原大山IC~圏央厚木ICでは、途中で厚木市郊外から「森の里IC(仮)」「厚木北IC(仮)」の2か所で地上交通を引き取っていきます。高速空白地帯にとっては悲願の「信号ゼロ」道路の誕生です。 何かと渋滞、渋滞が絶えない神奈川県西部において、「何でも屋」「遊軍」のような動きをするのが、厚木秦野道路の存在だと言えるかもしれません。 気になる進捗ですが、メインとなる「伊勢原大山~秦野中井」が事業化待ちで、あとは圏央厚木からちょっと分岐して厚木北までの1区間が事業化しているのみです。残りの厚木工区と渋沢工区は事業化すらまだです。 事業化済み区間の、工事進捗状況を見てみましょう。 【厚木地区】圏央厚木IC~厚木北IC(3.6km) 用地取得率は2024年3月現在で、約72%。現地では、時間のかかる「中津川橋」の工事が先行して進められているところです。すでに橋脚がニョキニョキと姿をあらわし、橋桁を架ける準備が整いつつあります。 【伊勢原地区】伊勢原大山IC(伊勢原北IC)~伊勢原西IC(4.8km) 用地取得率は約93%で、2年連続で横ばい。工事がもっとも進展しているのが、新東名のすぐ近くにある「鈴川橋」で、すでに床版が架かって舗装待ちの状態となっています。短いトンネルが2本あって、順次いよいよ掘削に着手する計画となっています。 【秦野地区】伊勢原西IC~秦野中井IC(5.2km) 2014年に事業化した、もっとも新しい工区です。用地取得率は約20%。1年前は7%だったので、やや進展しました。まだ目立った工事は進んでいませんが、工事範囲にかかる農業用水の事前調査など、準備が進められているところです。ここには全線内で最長のトンネル工区が待ち構えているので、いざ着工しても時間がかかりそうです。
くるまのニュース編集部