ATOK、ユーザーの入力傾向に応じた変換がより高精度に。“変換強度”を学習する新エンジン
ジャストシステムは、日本語入力システム「ATOK」の最新版「ATOK for Windows(Tech Ver.35)」を発表した。最新版では、従来より高精度にユーザーの入力傾向にあわせた変換ができるという新たな変換エンジン「ATOKハイパーハイブリッドエンジン2」を搭載し、月額制サービスのATOK Passportにて2025年2月に提供を開始する。 【画像】ATOKハイパーハイブリッドエンジン2では、変換強度を学習する機能が追加された ATOK for Windows(Tech Ver.35)では、ユーザーが日本語入力中に選択した単語の変換候補を記憶し、次回の入力時に優先的に提示することで変換精度を向上させる「学習」機能に注力している。従来のバージョンでは、学習の強弱を考慮せずに変換を行なっていたため、直前に確定した単語が優先され、望んでいた変換が得られないことがあった。 ATOKハイパーハイブリッドエンジンでは、ユーザーの入力傾向をもとに最適な候補を提示することで、この問題に対処していたが、文脈が特定しづらい場合やディープコア2、パーソナライズドコアが機能しない場合には、やはり直前に確定した単語が優先されていた。 新たに搭載されたATOKハイパーハイブリッドエンジン2では、誤変換の原因となっていた学習の優先度を調節するための新概念「変換強度」を導入した。ユーザーの入力状況や過去の入力傾向をもとに変換強度を学習し、次回以降の変換で変換強度が低い候補は表示されにくくすることで、より適切な単語が優先されやすくなるという。 変換強度の学習による効果として、たとえば、漢字の名前を入力した後にカタカナでフリガナを入力し、その後に再び名前を入力しようとすると、従来であれば直前に使用したカタカナ表記がまず表示されるが、最新のATOKでは漢字表記が優先して表示される。 最新版ではカタカナ語だけでなく、同音語に対しても変換強度の学習結果が適用される。また、日本語として自然な文章になる場合には、学習結果よりも自然な日本語を優先して提示するという。 また、新機能として「ATOKわたしの辞書プラス」を搭載する。同機能は、ユーザーが入力した単語に基づき、必要だと判断された語彙を含むジャンルの辞書をATOKが提案し、追加できるというもの。これにより、ユーザー自身の語彙空間を構築でき、より快適に入力できるようになるという。 同社は、2025年2月時点で以下のジャンルの辞典を提供するとしており、2025年夏以降にもジャンル拡充も予定している。
PC Watch,浅井 淳志