広島、来季の助っ人は外野手?矢野の急成長はレイノルズ、シャイナー離脱の副産物~岡義朗氏の見解
「広島3-1ヤクルト」(6日、マツダスタジアム) 広島が最終戦でヤクルトに勝ち、今季の成績を68勝70敗5分けの4位で終えた。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は優勝争いから脱落してCS進出も逃した広島の戦いぶりについて、「実力不足」としながらも、矢野雅哉内野手(25)の急成長を「外国人選手離脱の副産物」と語った。 【写真】広陵の先輩・野村との別れ 握手を交わした中村奨 思いあふれて潤んだ瞳 ◇ ◇ カープは今シーズンも9月に入って成績が急降下した。それも首位から4位という極端な失速ぶりで、優勝が目の前にチラついた途端、真っ逆さまに落ちていった。 真の4番打者不在の非力な打線や投手陣の息切れ、経験の乏しさなど、理由はいろいろあるのだろうが、はっきり言えるのは投打ともに実力不足だということだ。 本当の力があるチームは秋口から鞭を入れて、ラストスパートをかけられるものだ。それができない。昨年も同じように失速し、今年ほどではないが、首位の阪神から引き離された。 今年は巨人に逆転されて、阪神やDeNAにも追い越されてしまった。あれよあれよという間に。こういうことが起こるんだね。これが勝負の世界の不思議で恐ろしいところ。最後は止めようがなくなる。 9月中旬に行われた巨人戦。3連戦の2戦目、2点リードの九回に栗林を投入して引っくり返され、終わってみれば2-9の大敗だった。あの栗林が6失点ですよ。次の試合も負けて3連敗。直接的にはこれが大きな分岐点になった。 ただ、私の今年のペナント予想で広島は3位か4位。阪神優勝という予想は外れたが、申し訳ないけど広島に大きな期待はかけていなかった。やはり打線の軸になる4番打者が見当たらなかったから。 そういう意味では最終盤まで首位に立ち、優勝争いをリードしたのだから「よう頑張った」というのが正直なところ。 最初につまずいて、最後に追い上げての68勝70敗5分けだったら非難されることもないだろうけど、その逆だったからファンを落胆させることになったんだろうね。 とはいえ、来年までにこの阪神や巨人との差を埋めなければいけない。そのためには全体的な底上げと新たな助っ人の獲得が絶対に必要だ。 ただ、攻撃力低下の原因となったレイノルズ、シャイナー両外国人選手の離脱は、逆に矢野という好素材をレギュラー選手にまで成長させる“副産物”を生んだと言うこともできる。小園を空いた三塁に回すことで小園自身の打撃も安定し、クリーンアップに固定することができた。 投手陣は最後に息切れしたけど、踏ん張っていた。チーム防御率は昨年の3・20から2・63(10月4日現在)まで大幅に改善された。特にリリーフ陣がレベルアップした。 来季の補強ポイントはオフの動きやドラフト戦略次第で明確になってくるのだろうが、外国人選手に関しては言えば、外野手にターゲットを絞ってもいいだろう。 エルドレッド、バティスタ(ともに外野と一塁)以降、内野手を中心に獲得しているが、チーム状況を見ると、外野手の方が手薄ではないだろうか。 成長途上の若いチームでもあり、この補強がハマれば一気に弾けるかもしれない。 今季、Bクラスに終わったのは残念だが、私はあえて前向きに捉えたいね。最終戦の挨拶で新井監督も、相当な覚悟をもって来季に臨むような話をしていた。期待感はあるね。