「鳥は恐竜」という事実を知っているか? 最古の鳥類とされる“始祖鳥”について解説
そもそも、恐竜とはどのような生き物だったのか? 恐竜が鳥類に進化したことを証明した「始祖鳥」について解説する。 【画像】始祖鳥とはこれだ! 始祖鳥の化石の中でも特に有名な「ベルリン標本」。など
これまでの常識を変えた! ダーウィンの進化論の翌年に発見された進化の証人
鳥類は恐竜類の中の1グループだ。鳥類が出現する以前から、恐竜類の中に鳥類に見られるような特徴が少しずつ現れてきた。鳥類と似た特徴を持つ獣脚類の化石が多数発見されているため、現在では鳥類と近縁の獣脚類との区別が難しくなっているほどだ。 そこで、最古の鳥類として始祖鳥が位置付けられている。始祖鳥は約1億5000万年前に生きていた。始祖鳥には翼がある一方、全体的な姿は鳥類以外の獣脚類に似ている。口には歯があり、手の指は長くかぎ爪があり、尾は多数の骨でできていて長かった。 始祖鳥の化石は複数発見されている。始祖鳥の最初の化石が発見されたのは、チャールズ・ダーウィンが『種の起源』を発表した翌年、1860年だった。発見当初から始祖鳥は恐竜類と鳥類とをつなぐミッシング・リンクと考えられていた。しかし鳥類が恐竜類であるという考えは1990年代になるまであまり注目されていなかった。 状況が一変し、この説が脚光を浴びるようになったきっかけのひとつが羽毛恐竜の発見だ。96年、中国の白亜紀前期の地層から獣脚類シノサウロプテリクスの化石が発見された。シノサウロプテリクスの化石には羽毛の痕跡が残っていた。シノサウロプテリクスの化石が報告されるまで、羽毛は鳥類だけにある特徴と考えられていた。シノサウロプテリクスの発見以降、中国で羽毛恐竜の化石が次々と見つかり、鳥類の恐竜起源説が注目されるようになったのだ。
文:土屋 香 イラスト:服部雅人 監修:土屋 健(オフィス ジオパレオント)