被爆小学校から実相学んで 広島、長崎で再整備計画
熱風で焼け焦げた戸枠や爆風でゆがんだ鉄製の扉―。被爆の惨状を物語る広島、長崎両市の旧国民学校の校舎は現在、写真や遺物を展示する施設として街に溶け込んでいる。両市は被爆の実相をより身近に学んでもらおうと、計3校で展示内容の見直しを含む再整備計画に取り組んでいる。 3校は広島市の本川小と袋町小、長崎市の城山小。3校とも爆心地から約500メートル以内にあり、被爆した旧国民学校の校舎の一部を、資料展示室として活用している。 1988年に平和資料館として生まれ変わった本川小の校舎では約400人の児童と約10人の教員が亡くなった。袋町小の平和資料館は2002年に開館。同校は被爆後、救護所として利用され、館内には家族や知人を捜す人が壁面に残した伝言が展示されている。 担当者によると、原爆資料館には年間35万人ほど修学旅行生が訪れる。再整備により、両館を訪れる児童、生徒が増えることを期待する。
長崎市の旧城山国民学校の校舎でも、25年度以降に始まる耐震工事と併せて展示内容の更新をする。