今も現役!福岡県飯塚市の93歳「ながのばあちゃん」が農業で全国表彰
人の命を守る仕事
このほかにも、農業技術の普及などを図る県の施設で講師を務めたり、総合食品メーカーの久原本家(久山町)が営む「御料理 茅乃舎(かやのや)」のコース料理の一品を監修したりと、多方面で活躍してきた長野さん。文彦さんのサポートも受けながら会の活動を続け、唐辛子やタマネギなどを育てて加工品をつくっています。 4月下旬には御料理 茅乃舎のスタッフや利用客らが参加するタケノコ掘りのイベントが飯塚市内で企画されているほか、県男女共同参画センター「あすばる」が春日市内で開く女性向け研修(9月)と親子向け食育教室(11月)の講師を務める予定です。 3月21日には、県庁を訪問して服部誠太郎知事に受賞を報告。「梅高菜」に関連して「先代から(高菜は)桜の花が咲いたら収穫する、と教わった」などと紹介し、「(地域で培われた技術や知恵を)伝えていくことが私の役目」と話しました。 梅高菜入りおにぎりを試食した服部知事は「優しい味ですね」とうなずき、「今風にいえば長野さんは女性農業者の『ロールモデル』。(60歳からの活躍は)農業者に限らず、すばらしい」とたたえました。 長野さんは取材に対して「かつて、農業は『したくない』『子どもにもさせたくない』と思っていたが、今は『人の命を守る仕事』と自信を持っている」と強調。農業の魅力は「太陽と共生しながら(作物を)育てていく面白さ」と語ります。 「せっかくの命。役に立つことをしゃべろうと思っている。若い世代に伝えたいことはいっぱいある」と長野さん。これからもたくさんの料理やことばで、農業や食べ物、そして地域の魅力を教えてくれそうです。
読売新聞