ザンダー・シャウフェレ（写真：Getty Images）

　スコットランドのロイヤルトゥルーンGCで行われた海外男子メジャーの全英オープンはザンダー・シェウフェレの優勝で幕を閉じた。5月の全米プロに続き今季メジャー2勝目。世界ランク2位に浮上し、最優秀選手賞候補に名乗りを上げた。 　3日目の激しい雨と風は落ちついたものの、海から重い潮風が吹き付けた最終日。首位と1打差の2位タイからスタートしたシャウフェレは、ノーボギーの6アンダー「65」をマークし後続に2打差をつけ逆転優勝を飾った。 「これまで経験した中でもっとも難しかった」というバックナインでは最難関11番パー4でフェスキュー（長いラフ）からの2打目を1mに寄せてバーディ。この日このホールでバーディを奪ったのはシャウフェレだけ。 「全米プロの優勝争いの経験が役に立った」とその後は13番、14番でバーディを決め、16番パー5でも2オン、2パットのバーディを奪って後続を突き放した。 「ストレスメーターがあるなら18番に上がってくるときがピークでした。そこまではなんとか落ち着いていたのですが、子供の頃から夢に見た瞬間が近づいてきて鳥肌が立ちました。でもまだ終わっていない」と気を引き締めスタンディングオベーションに迎えられグリーンに上がった。 　ファーストパットをタップインの距離に寄せ、ウィニングパットを残すのかと思ったら、残さずパーパットを沈めメジャー勝利にしてはあっけないフィナーレ。まだ2組残っていたこともあり喜びの表現は控え目だった。 　勝因は事前の準備に費やした時間。まずは時差に対応するため早めにスコットランドに入り、アメリカのコースとは全く違うリンクス攻略の術を模索した。 「フェスキューや深いバンカー、細かい砂、海風、そして遅いグリーンなどアメリカでは経験できないようなコースに対応するには、完璧なスイングやショットは必要ない。バンカーを避け、次のショットが打ちやすいところを狙う。ミスを最小限に抑えることができたと思います」 　初めてリンクスでプレーしたのは「13歳か14歳のときのバンドンデューン（スコットランド）。挑戦意欲が湧いてすぐにリンクスが好きになりました」とシャウフェレ。 　メジャー無冠だったのが嘘のように今年2つ目のメジャータイトルを獲得し「1つ勝つだけでも難しいのに2つ目を獲得できたなんて格別です」と幸せそうな笑顔を見せた。