ノムさんにとっては拡声器。監督や選手の「マスコミとの付き合い方」【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第106回
プロスポーツとマスコミは、切っても切り離せない関係にあります。プロ野球選手も、その一挙手一投足がファンの耳目を集めますし、特に人気選手の動向は多くのマスコミが追いかけます。ここ数年、大谷翔平選手の報道が加熱しているのはみなさんもご存知のことでしょう。 【写真】山本キャスターの最新フォトギャラリー ということで今回は、監督や選手とメディアとの関係についてお話しさせてください。 応援するチームの試合結果や選手の成績はもちろん、選手のプライベートのこともニュースとして大きな価値を持つようになりました。「タレントならいざ知らず、勝利を目指すスポーツ選手の日常生活も知りたいのか」と苦言を呈する方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には「見たい・知りたい」と思うファンがいるからこそ、そういったニュースの配信は止まることがないのでしょう。 監督や選手によって、マスコミとの付き合い方には個性が出ます。付き合いが上手な方、そうではない方は昔からいました。しかし、「スター」と言われる方たちの多くは、上手にマスコミと付き合っていた印象があります。 "ミスター"こと長嶋茂雄さんはまさにいい例で、試合後のインタビューで球場にいるファンを沸かせ、その放送を見たお茶の間のファンはミスターのとりこになりました。スターが誕生する影には、必ずマスコミの存在があったのです。 「勝利をすることが最大のファンサービス」と考えて、「それ以外のサービスは不要だ」と思う選手もいるかもしれません。ただ、ファンサービスを大事にする選手は、マスコミ対応も上手な方が多いように感じます。 ミスターもそうですし、日本ハムの新庄剛志監督などもその典型ですね。マスコミに話題を提供し、チームに注目を集める天才です。 新庄監督の偉大なところは、自チームのみならず、野球界全体の注目度を上げることにも貢献しているところ。新庄監督のおかげで、野球ファン以外にも野球への興味を訴求できるからです。現在、セ・リーグだけでなくパ・リーグも大きな人気を獲得していますが、新庄監督の力もその要因のひとつだったと思います。選手時代からずっと「プロスポーツは最高のエンタメである」ということを、あらためて教えてくれています。