かまいたち濱家は「薬剤師発言」で批判されるも鎮火 薬局での出来事から始まる哲学とは
人気お笑い芸人「かまいたち」の濱家隆一が、薬剤師を巡る「不適切な発言」について、自身のXで謝罪コメントを発表した。 【画像を見る】かまいたち・濱家隆一の〈実際の謝罪コメント〉 「定型文じゃない」と感心する声も
テレビ番組で「薬剤師の説明が長くてイライラする」という話題になった際に発した「(薬剤師側には)医療に携わってるから医者憧れみたいなんがあるんとちゃうん?」というコメントが、薬剤師を下に見ているのではないか、といった批判を浴びたのである。 ただ、本人の謝罪コメントが丁寧で誠意が伝わるものだったこともあり、特に「炎上」といった事態に至らずに済んだようだ。
実のところ、たくさんの薬の説明を長時間受ければ、イライラする人もいるだろう。そもそも体調が悪いのだ。 ただ、そうした場面もまた思考を深めるきっかけになるのかも、と言うのは比較文学者の大嶋仁さん。大嶋さんは、日常生活のさまざまな出来事は、哲学的思考をする良いきっかけになると考えている。著書『1日10分の哲学』は、目や耳にしたちょっとした出来事から始まる「哲学」に関する読物だ。 ある日、大嶋さんが行きつけの薬局での出来事から考えたこととは――(大嶋仁著『1日10分の哲学』所収「鵜呑みにするな、フィードバックが大事」を抜粋) ***
蛇のように賢く、鳩のように素直であれ
学生の頃、ある本を読んでいたらこんな言葉と出会った。「はいと答えるだけではダメ、いいえも言えないと」 何事にもウラとオモテがある。オモテだけ聞いて「はい」と答えるなら、「素直ですね」と言われはしても「賢いですね」とは言われない。つまり、素直であるとは愚かであることの裏返しだ。 聖書に「蛇のように賢く、鳩のように素直であれ」という言葉があったように思う。素直であるだけではダメで、賢さが必要なのだ。その賢さを蛇にたとえるのは、そこにずる賢さも含んでいるからだろう。人間、素直でありさえすればよいというわけではない。 先日、かかりつけの医師に処方箋を出された。これを飲めば血糖値が上がらないといわれた。薬は気休めにすぎないと聞いたことがあるが、処方箋を出されると飲まないわけにはいかない。 行きつけの薬局に行ってみると、スタッフが変わっていた。新しい顔ぶれがふたり。そのうちの一人が薬の説明をしてくれた。20代後半と見える女性である。 彼女の説明をひととおり聞いたあと、疑問に思っていることを尋ねた。すると少し考えてこう言った。「一般にはこう言われているんですが」と切り出して、「個人的には」と自身の見解を述べる。「この人、おしゃべりは上手だけど優等生的だな」と思いつつも、その明快さに感動させられた。