長嶋茂雄は「5歳下・王貞治の三冠王を5回阻止」、広岡達朗も困った守備範囲…「馴れ合いじゃないON巨人」とライバル史は現代指標でも衝撃的
王と長嶋は「なれ合いの関係」ではなかった
大卒で右打者の長嶋茂雄と、高卒で左打者の王貞治は、いろんな意味で対照的な選手だった。 長嶋茂雄が引退したときに、王貞治は取材に応えて「女房よりも長い時間、一緒にいたから寂しい」と言っている。しかしながら現役時代、王と長嶋が2人で会食したのは、ただの1回だったと言う。2人はチームメイトとして、ともに勝利を目指す同志ではあったが「なれ合いの関係」ではなかったのだ。 王貞治が三冠王を獲得するのは、長嶋茂雄が「巨人軍は永久に不滅です」という言葉を残して引退する前年の1973年のことだった。 長嶋茂雄は、王貞治という最強にして最良の「ライバル」によって「記録男」から「記憶に残る男」へと看板をかけ替えさせられたのだ。
チーム内に魅力的なライバルがいるという幸運
しかしながら長嶋茂雄にとっても、王貞治にとっても、これほど手ごわく魅力的なライバルに出会ったことは、望外の幸運ではなかったか。 ONが別のチーム、リーグ、別の時代の選手だったら、2人はここまでの成績を挙げることはできなかったのではないか。 そういう意味では、最高の「天の配剤」だったといえよう。<第1回からつづく>
(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)
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