ザック・エフロン、37歳の誕生日「ハイスクール・ミュージカル」で脚光…“アイドル俳優”からハリウッド殿堂入りの実力派へ
俳優のザック・エフロンが、10月18日に37歳の誕生日を迎えた。エフロンといえば、2006年にディズニー・チャンネルで放送された映画「ハイスクール・ミュージカル」(HSM)に出演し大ブレーク。当時のティーンエージャーたちをとりこにした。ディズニー・チャンネル出身の“ディズニースター”としてアイドル的人気を獲得し、一世を風靡(ふうび)した10代のイメージから脱却し、ハリウッドの殿堂入りを果たした現在に至るまでの彼の軌跡を代表作とともに紹介する。 【写真】驚異の肉体改造で“筋骨隆々”に…“ディズニースター”からのギャップがすごいザック・エフロン ■人気シリーズ「ハイスクール・ミュージカル」の主人公役で脚光 セレーナ・ゴメス、ヒラリー・ダフ、ブリトニー・スピアーズなど、これまで多くのスターを輩出してきたディズニー・チャンネルのオリジナル作品を語る上で、避けて通れないのが「ハイスクール・ミュージカル」であり、同シリーズで主演を務めたエフロンだ。エフロンは、同作で周囲の反対を押し切ってミュージカルのオーディションに挑むバスケ部の人気者トロイ・ボルトン役に抜てきされ、全米のティーンエージャーから注目される存在に。甘いマスクに高身長の青年がスポーツやミュージカルに奮闘し、クラスメートと恋に落ちる…まさにアイドル的人気要素が詰まったトロイ役で一気にブレークした。エフロンの人気もそうだが「ハイスクール・ミュージカル」シリーズ自体が社会現象を巻き起こすほど大ヒットを記録する。 同シリーズで一躍有名になったエフロンは、映画「ヘアスプレー」(2007年)、「僕と彼女とオーソン・ウェルズ」(2008年)、「セブンティーン・アゲイン」(2009年)など、次々とキャリアを積み上げていき、22歳の頃に主演を務めた「きみがくれた未来」(2010年)では、最愛の弟を失った兄チャーリー役で葛藤しながらも再生していく様を丁寧に表現。これまでの役柄とは異なるシリアスな演技を見せた。 10代で青春ど真ん中の作品でハマり役に抜てきされたことから、“アイドル俳優”としてのイメージは強く、そのイメージから脱却し、1人の俳優として再ブレークを果たすまでには並々ならぬ努力があっただろう。2010年以降は幅広い役柄に挑戦しながらキャリアを積み重ねていった。映画「ネイバーズ」(2014年)では閑静な住宅地に暮らす夫婦と隣人同士のトラブルに闘志を燃やす大学生テディをコミカルに演じ、上半身裸でパーティーを楽しむ“パリピ”のリーダー格を熱演。「恋人まで1%」(2014年)では特定の恋人を作らずに一夜限りの関係を楽しむジェイソンに扮(ふん)した。どちらも異なるタイプの“クズ男”だが、そこを甘いビジュアルでカバーしてしまうのも彼の魅力の一つだろう。 ■「グレイテスト・ショーマン」でミュージカル作品に帰還 ヒューマンドラマやコメディー作品など、着々と演じる役の幅を広げていったエフロンは大ヒット映画「グレイテスト・ショーマン」(2019年)で再びミュージカル映画に挑戦。本作ではヒュー・ジャックマン演じる主人公P・T・バーナムの相棒フィリップ役として見事な歌唱シーンやダンスを披露し、ディズニー・チャンネル時代の印象とは180度異なる存在感で、アイドル俳優から完璧に脱却した覇気を感じさせる演技力を見せつけた。 さらに主演を務めた「テッド・バンディ」(2019年)では実在した凶悪殺人鬼を怪演しており、爽やかなイケメン好青年というイメージははるか遠くに行ってしまったような不気味さを表現したことも印象深い。同じく印象をがらりと変えた作品が、日本では2024年4月に公開された主演映画「アイアンクロー」。プロレス界の伝説フォン・エリック家の知られざる衝撃の実話で、持ち前の身体能力と驚異の肉体改造によって“筋骨隆々”のプロレスラーである次男ケビンを体現した。 悩みながらも彼らしい俳優道を突き進む中、2023年にはこれまでの功績が認められハリウッドの殿堂入りを果たし、数々の著名人と共に米・カルフォルニアの名所でもある星型プレートでおなじみの「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に名を刻んだ。 まぶしい“アイドル俳優”として多くのファンを魅了してきた彼が実力派俳優へと成長を遂げ、今後もさまざまな作品を通して会えることにワクワクが止まらない。 なお、「ハイスクール・ミュージカル」はディズニープラスで配信中。 ◆文=suzuki