三重県多気郡明和町は、カスタマーハラスメント（カスハラ）対策について、実態調査のため、職員向けのアンケートを実施する方針を明らかにした。今後、それらを踏まえ、町の対策マニュアルも作っていきたい考えとしている。このほど開かれた町議会第3回定例会一般質問で、中井啓悟氏の質問で明らかにした。 　中井氏は明和町全体のカスハラの実態調査やマニュアル、条例の制定などを提案した。 　町では今年6月から、これまでフルネームを記載していた名札を職員の提案などを受け、漢字の名字のみに変更。昨年からは庁内外に設置の防犯カメラも台数を増やすなどしているという。 　厚生労働省は、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルを策定しており、町としても考え方をまとめた〝明和町版〟マニュアルの作成について検討していくという。 　それに先立ち、まずは現在の実態を調べようと、全職員向けにアンケートを実施していく。 　町総務課は「なるべく早期にアンケートを行っていきたい」と話している。

カスハラとは

　顧客や取引先などからの理不尽なクレームや威圧的な言動など、特に悪質で労働者の就業環境を害する行為。行政機関の場合、対応した職員の個人名をSNSなどでさらされたり、必要以上に長時間にわたって窓口や電話で拘束されて精神的に追い詰められるなどし、他の市民への本来行うべき行政サービスの停滞を招くなどの影響が問題視されている。