絶対安定多数は「266議席」衆院選でカギとなる数字は? 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
■「絶対安定多数」=266議席
安定多数だと委員長決裁という「危ない橋」を渡りかねません。委員長枠17をを独占しても過半数になるのが絶対安定多数で安定多数249+17=266人となります。
■「3分の2」=317議席
475÷3×2=317(四捨五入)。両院の判断が、衆議院可決と参議院否決などのように異なった場合、首相の指名や予算など最終的に衆議院の議決で決まるケースを除く大多数の法案を衆議院で再可決するには、過半数でなく出席議員の3分の2が必要です。これらの決まりを「衆議院の優越」と呼びます。 衆議院は首相の最終的指名権があるので、与党が少数与党の場合を除いてたいてい過半数あります。参議院は近年しばしば野党多数の状態がありました。これを「ねじれ」と呼び、苦しんだ内閣も多くあります。そうした場合でも衆議院で3分の2があれば参議院の意思にかかわらず法案を世に送り出せるので重要な数字となります。 なお憲法改正の発議(国民に改正案を示す)には衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成が必要となり、衆議院だけの3分の2では届きません。
--------------------------------------------------- ■坂東太郎(ばんどう・たろう) 毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。【早稲田塾公式サイト】