「車線変更?絶対入れてやらん ブォォォン!!」 意地でも譲らないドライバーの“アタマのなか” 交通心理士がズバリ解説
交通ルール・マナーを守らないクルマは批判してもしょうがない?
しかし、いずれにしても、交通法規に則した適切な車線変更をし、速度なども制限内であれば、「道を譲る」というのは交通社会のマナーでありルールです。意地でも「前にクルマを入れない!」と自分勝手な行動を取ることは、それに反し、事故のリスクも高まります。 仮に事故が起きなかったとしても、ドライバー同士のトラブルに発展する危険性もはらんでおり、筆者個人的にはこういった行動は絶対にやめて欲しいと思います。 「『クルマを運転する』ことは社会的な活動であり、他者との関わりが不可欠ですから、交通法規・交通マナーを守って周囲に配慮しながら安全に行うべきでしょう。こういった交通法規・交通マナーを守らないクルマ、予測不能な動きをするクルマは、むしろ批判の対象ではなく『危険要素』として捉え、それよりも『自らの安全確保を優先する』姿勢が、結果として安全な交通社会の実現につながるように思います」(島崎先生) どれだけ急いでいても数台に道を譲ったところで、目的地までの到着時間に大きな差が生まれるわけでもありません たまに前方に速度の遅いクルマがいたり、さらに先の車間距離がスカスカのクルマがいると、確かに「もう少しスピードを上げてくれないか」「車間距離を詰めてくれないか」と思うことは正直あります。 しかし、そうしたクルマをなんとかして追い越すことができたとしても、結果的に「目的地への到着時間は1分も変わらなかった」といったケースが少なくないのもまた事実。 事故やトラブルのリスクを高めてまで「車線を譲らない!」といった行動を取るよりも、心にゆとりを持ってハンドルを握り、他者・他車への配慮を持って運転するほうが有意義で安全な移動ができるように思います。
松田義人(ライター・編集者)