北朝鮮兵は1週間前から前線で多数戦死か、ゼレンスキー氏「死ぬ理由は一つもない」
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は16日、ロシア西部クルスク州の北朝鮮部隊について、ウクライナ軍との交戦で多数の死傷者が出ていると主張し、「ロシアは北朝鮮兵の損失を隠そうとしている」との見方を示した。ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官から報告を受けた内容として、16日夜に投稿したビデオ談話の中で明らかにした。 【写真】「体格がきゃしゃ」という指摘も…ロシアに派遣された北朝鮮兵とされる映像
ロイター通信によると、ウクライナ軍はこれに先立ち、14~15日にかけて少なくとも30人の北朝鮮兵がクルスク州内で死傷したと発表していた。
ゼレンスキー氏は「北朝鮮兵がこの戦争で死ぬ理由は一つもないのに、残念ながら我々は彼らからも身を守らざるを得ない」とも述べた。北朝鮮部隊と交戦するのは本意ではないことを明確にし、投降を促す狙いとみられる。
米国防総省のパット・ライダー報道官も16日の記者会見で、クルスク州に派遣された北朝鮮兵について、「死者と負傷者が出ている」と述べた。具体的な人数には触れなかった。米政府が北朝鮮兵に死傷者がいることを認めたのは初めて。
ライダー氏は、北朝鮮兵が約1週間前から前線に投入されているとの認識も示した。ロシア入りした北朝鮮兵は1万2000人から増えてはおらず、ロシア軍の部隊に統合され、主に歩兵として作戦に従事しているという。