上積み十分のオフトレイル

［ＧⅡスワンステークス＝２０２４年１０月２６日（土曜）３歳上、京都競馬場・芝外１４００メートル］ 　今年のラジオＮＩＫＫＥＩ賞の勝ち馬オフトレイル（牡３・吉村）がスワンＳでキャリア初の１４００メートル戦に挑みます。栗東坂路で行われた２３日の最終追い切りでは４ハロン５３・３―１２・２秒を馬なりでマーク。ＧⅡ毎日王冠（１２着）からの反撃に燃えています。 　吉村調教師が「間隔もちょうどいいので単走で十分かなと思いました。前回と同じようにやってきましたけど、いい感じですよ」と確かな口調で説明します。 　４走前のＧⅢアーリントンＣ（６着）ではゆったりとした流れの中でも１５番枠から折り合っていたため、マイルから１８００メートルに距離を延ばし、白百合Ｓ（２着）を経由したうえでラジオＮＩＫＫＥＩ賞に挑戦したのだそう。結果、それが功を奏しましたが、続く毎日王冠では道中で力む面を見せました。「ＧⅡのメンバーにしてはペースが落ち着いていたこともあるんですが、ああいうスタートになって、ハミをかむところがありました」（同調教師）と振り返ります。今回は２ハロンの距離短縮を決断。初めての距離に対し、「（１４００メートルは）全く問題ない」と太鼓判を押します。 　前走は結果こそ残念でしたが、夏休みを過ごして、ハリがあって幅を大きく見せる馬体に成長。トレーナーも「（前走は）みんな同じような流れになっちゃったから、そこまで悲観することはない」と語り、１回使った上積みは十分に見込めます。 　今回、オフトレイルをエスコートする武豊騎手はデビュー戦とアーリントンＣ以来、３回目のコンビ。指揮官は「豊さんが前に騎乗されたときも『いずれこの馬は１６００メートルから１４００メートルになるよ』と言っていた。初騎乗じゃないし、チャンスはあると思います。いい脚を持っているので」と自信の表情でうなずかれました。果たして名手の〝予言〟が的中となるのか、見逃せないレースになりそうです。