那覇地裁

　沖縄県で昨年12月に起きた米兵少女誘拐暴行事件で、わいせつ誘拐、不同意性交の罪に問われている米空軍兵長の被告（25）＝嘉手納基地所属＝の第3回公判が30日午後1時30分から那覇地裁（佐藤哲郎裁判長）で開かれた。 「軍の特別捜査官」は「作り話」　

　7月の初公判で「無罪」を主張した被告は、被害に遭ったとされる少女の年齢について「彼女は18歳と答えた」と述べた。少女が16歳未満である自身の実年齢をジェスチャーを交えて英語や日本語で被告に告げたとする証言を否定した。被告からの性的暴行を「止めて」「ストップ」と拒否したとする少女の証言についても否定した。 　事件を巡っては、23日の第2回公判で、検察側証人として被害者の少女が出廷した。被告から年齢を確認され、実年齢を指のジェスチャーも交えて「日本語だけでなく英語でも伝えた」と証言していた。 　被告は「実際のジェスチャーは覚えていない」としながらも、少女が指のしぐさで「（実際の）年齢を示したか」とする質問に否定的な見方を示した。 　被告は少女から拒絶された記憶があるかとの質問に「いいえ」と述べ、少女が「逆らうのが怖かった」と証言したことについても「彼女は怖がっている様子はなかった」などと述べた。

　被告が「19歳」と名乗ったとする証言についても「24歳だと伝えた」とし、被告が「軍の特別捜査官」と少女に名乗ったとする証言についても「作り話」と主張した。 　被告は7月の第1回公判で、被害に遭ったとされる16歳未満の少女を「18歳と認識」していたと主張。「誘拐も性的暴行もしていない」などとして「無罪」との認識を示していた。 　起訴状や検察側の冒頭陳述によると、被告は2023年12月24日、沖縄本島内の公園にいた少女とスマートフォンの翻訳アプリでやり取りするなどして車に誘い込んだ後、自宅に連れ込み、少女が16歳未満であることを知りながら性的暴行を加えたとされる。