50ccの「スーパーカブ」が生産終了! 世界中で愛されたシリーズの歴史を振り返る
12月12日、ホンダの原付一種「スーパーカブ50・Final Edition」が発売されました。これにて、排気量が50ccの「スーパーカブ」は歴史に幕を下ろすことになります。排気量が110ccや125ccで原付二種の「スーパーカブ110」や「スーパーカブ C125」は継続販売されますが、それでも生産終了を惜しむファンから多くの受注が集まっているようです。 【2018年に発売した「スーパーカブ50・60周年アニバーサリーモデル」】 販売計画台数2000台に対して、受注は1万2000台を超えているとか。ホンダでは、すべての注文に応えることをアナウンスしています。残念ながら受注期間は終了していて、これから注文することはできませんが、この機会に50cc「スーパーカブ」の歴史を振り返ってみましょう。
1958年登場の初代「スーパーカブC100」
初代モデル「スーパーカブC100」が登場したのは1958年のこと。そのコンセプトは「誰でも乗れる」ことでしたが、当時流行っていたスクーターとは異なる新しい乗り物として提案されました。 エンジンはシリンダーが水平近くまで前傾したもので、この構造が高さを抑え、乗り降りのしやすさに貢献しています。この基本構造は、現在でも多くの小排気量マシンに受け継がれています。 ホイール径は前後17インチで、当時はまだ舗装率が10%程度だった道路状況でも安定した走行ができるようになっています。このホイール径も現代まで継承され、「スーパーカブ」独自のハンドリングを作り出しているといえます。走行風を防ぐレッグシールド、ハンドルやメーター部までカバーされたデザインも「スーパーカブ」独自のもの。“かもめハンドル”なんて呼ばれるちょっと持ち上がったハンドル形状やレッドのシート色がオシャレですね。
エンジンがOHC化されデザインも一新
長い歴史の中でひとつのターニングポイントになったのが1966年。ここでエンジンがそれまでのOHV(オーバーヘッドバルブ)からOHC(オーバーヘッドカムシャフト)に変更されます。このOHC構造は現行モデルまで続いています。デザインもヘッドライトやウィンカーなど灯火類が大型化されるなど、安全性に配慮したものに。現行モデルと見比べても、大きな違いがないように見えるルックスとなっています。 1980年代に入った頃からは燃費性能の向上に力が入れられるようになります。1981年モデルは105km/L(30km/h定地燃費)を実現。1982年モデルでは150km/L、1983年モデルでは180km/Lという驚異的な数値を実現した「スーパーカスタム」が追加されました。