「あなたはかわいい」と言われ続けて育った 元・乃木坂46 衛藤美彩「18歳での上京 アイドルへの挑戦」支えたのは母が与えた「安心感」
衛藤さん:「挑戦してみたら?」と、快く送り出してくれました。両親も18歳の子をひとり大都会の東京に送り出すのは抵抗があったと思います。でも母は「本人がやりたいことはやらせてあげたい」という考えで応援してくれました。ただ、やはり約束事として、やるからには決めた期間は頑張りなさいと。ちょうど同級生たちは大学に進学する年だったので、「お母さんも美彩を大学にやったような気持ちで送り出すから、4年間は頑張ってみなさい。その後については4年後に考えよう」と。今振り返ると、愛情ある送り出しをしてもらったなと思います。
── 素敵なお母さんですね。衛藤さんもそのときは愛のあるエールを受け「成功してやるんだ」というような気持ちで上京されたのでしょうか。 衛藤さん:それが、母との約束を重たく感じること全然なく。「東京、楽しみだなぁ…」と、とても楽観的な気持ちで上京しました。「帰る場所もあるし」とのんきに考えて、自信に満ちていましたね。私はすごくのびのびとした、自己肯定感爆上がりな環境で育ててもらったので、「何でもできる!」という気持ちしかありませんでしたから。
■「あなたはかわいい!」と言われ続けて育った ── 自信に満ちて行動できる子をつくり出したお母さんの「自己肯定感爆上がりの子育て」が気になります。それはどのようなものだったのでしょうか? 衛藤さん:もちろん、「ありがとう」と「ごめんなさい」がちゃんと言える人間になりなさいとか、人としての道徳倫理にはすごく厳しかったです。でも、人はみな完ぺきではないのだから失敗してもいいし、どんなことがあってもあなたには家族がいるし、たとえ社会で失敗しても大丈夫。何度でもやり直せるんだからいろんなことに挑戦しなさいってことを日常のさまざまな場面で教えられましたね。そういう安心感を植えつけてくれたというか。
あと、「あなたって本当にかわいい」って、これでもかというほど言われて育ってきたんですよ(笑)。見た目のことではなく、存在そのものが。「本当に愛されてるなぁ…」と自覚するくらい。しかも母のすごいところは、兄も弟も「3きょうだいのなかで自分が一番愛されてる」と思わせていたところです。兄には「最初の子だから特別」、私には「ひとり娘だから大切」、弟には「あなたが一番かわいい」といった具合に。上手に「お母さんが自分だけを見てくれる」と思わせていたんですよね。3分割した愛情ではなく、それぞれ100%で、300%愛してくれていたわけです。