スーツアクター・高田将司、1人5役の『キングオージャーVSドンブラザーズ』は「僕の全て」 生身で出演の目標も明かす
Vシネクスト2本立て『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』が期間限定で劇場公開中(10月9日にはBlu-ray&DVDの発売)。ORICON NEWSでは、『王様戦隊キングオージャー』スパイダークモノス、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』キジブラザー&ゼンカイザーブラック、『獣電戦隊キョウリュウジャー』キョウリュウブルーのスーツアクターを務めた高田将司にインタビューを実施。スーツアクターだけでなく、警察官の朝田刑輔、兵士マサシとして生身でも出演し、まさかの1人6役となった高田に撮影の裏話を聞いた。 【写真】それぞれのキャラクターのポーズをキメる高田将司 あのキャラクターも! ■『キングオージャー』&『ドンブラザーズ』の撮影秘話 キジブラザーは孤独な撮影に スーパー戦隊“VSシリーズ”第30作目となるVシネクスト2本立て『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』。本作は“毎回が最終回”と評されるほど綿密で熱いストーリー展開が話題の『王様戦隊キングオージャー』と、スーパー戦隊シリーズだけでなく、ヒーロー作品の定番をことごとく覆し、見た人をドンブラ脳に染め上げた『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が激突。さらに10周年を迎えた『獣電戦隊キョウリュウジャー』までもが参戦し“VSシリーズ”でついに夢の共演をはたす。 ――『キングオージャー』は大反響のまま終わりました。振り返ってみて、いかがでしたでしょうか? 【高田】僕、スパイダークモノス役で途中参加の追加戦士でした。やっぱり新しいことをいっぱいやっていた印象です。特にセットに関して新しいことをこうみんなでやったというのが、すごく新鮮でした。背景とかも作らなきゃいけなくて、たぶん大変だったと思うんですけど、そういう中で僕らはやらせてもらった。どうなっているのかわからないこともある中でやったのは新鮮というか、不思議な感じでした。 ――LEDウォールは驚きました。撮影時の思い出は? 【高田】カメラ通してみたら、もうその世界って感じでした。でも、僕らがやることは、そんなに大きくは変わらない。でも、現実じゃない世界観が簡単に、ポンって出るので、そういう中でやるのは、すごく面白いなと思いました。 ――いきなり1話で顔出しで「兵士マサシ」として出演も話題になりました。 【高田】いきなり出ましたね(笑)。前週まで放送されてた『ドンブラザーズ』では警察官で出ていた。週またいだら今度はシュゴッダムの兵士として出ていた(笑)。「こいつ、また今年も出るんだ」って、たぶんみんな思ってたと思いますね。ちょこちょこ兵士も出番があったので、すごく良かったです。 ――スパイダークモノスに変身するジェラミー・ブラシエリを演じた池田匡志さんも“マサシ”でしたね。 【高田】ダブルマサシで、もうびっくりでしたね。 ――2人で1つの役作ります。どのような話をされたのでしょうか? 【高田】直接話したっていうところだと、始まる前の衣装合わせとかですね。初めて会った時に上堀内佳寿也監督もいらっしゃったので3人で話しました。その中でカッコいい感じのキャラにはなるんだろうなっていうのは感じて。あとは池田くんが、実は1話からナレーションやっていた、っていうのも踏まえた上で、じゃあこうやってやろうかなみたいな感じです。僕が池田くんに対して言うことって実はあまりなくて。直接、監督とお芝居についてのやり取りが絶対あるじゃないですか。逆に僕は自分の中でやったり、池田くんがやってるの見て「こういう感じでやろうかな」みたいな感じです。毎年も僕はそういう感じでやってるので、ちょっとアクションとかがあったら「こうやった方がかっこいいよ」といった話をするぐらいでした。武器の構え方とか、ちょっとした見せ方なんですけどね。武器を構えている右手がカッコよくても、左手が遊んでいたり。たまに現場で気になっていたら言うぐらいでした。 ――『ドンブラザーズ』のアクションも大変だったかと思います…。 【高田】モーションキャプチャーなので(笑)。もう孤独でした。孤独な戦いをイヌブラザーの岡田(和也)と2人でやっていたので。『キングオージャー』の撮影より、ちょっと特殊だったなと思います。 ――苦労話は? 【高田】まず、もう何もないので。普通だったら、ちょっとお芝居があるってなったら対象もいるし、モノに触れたり、なんでもできるんです。なんにもできなかった(笑)。一応、モニターがあって、モニターには僕らが映ってるんです。そのモニターを確認しながら「じゃあ、こっちにオニシスターがいるのか。ここまで行きすぎるとダメだ。木と被っているからダメだ。じゃあ、ここまでしかいけないのか」とか(笑)。で、それをいざやるってなったらモニターなんか見れないんで、ほんとに何もないところでやんなきゃいけない。そうすると、目線が違う、立ち位置がちょっとズレてるとかって始まってくるんで。これは大変だなと思いながらも、もうもうもう割り切って。正しい位置に正しいタイミングで入る、そういう仕事なんだって思いました(笑)。もう、みんなの芝居は先に完成してるんで、プログラミングされたマシーンみたいな感じでした(笑)。 ――1年やり続けると慣れるんでしょうか? 【高田】慣れたと思います、たぶん。そのシステムに慣れたというか。「最初の立ち位置はここでしょ。次行くところは、ここか。じゃあ、ここにバミリお願いします」と(笑)。早く終わらせたいわけじゃないですけど、終わらなくなっちゃうんで。基本、この撮影をやってる時は、もう撮影部さん以外やることがない。データを出す撮影部さんと監督と助監督いたら終わり。僕らがやってる時ってもう照明部さん片付け始めてるんです(笑)。スタッフ5、6人ぐらいしかいなくて、僕らだけがこうモニター持ってセットしてたんですよ(笑)。 ――たまに上半身が登場するシーンは逆に楽しかったのでは? 【高田】そうですね。でも、下は写せないので…。高さを出すために、ちょっとしたお立ち台を作ってくださったり。ちょっと移動したいなって時は、複数の台を置いて移動できるようにはしてるんですけど…。あおる画角が多かったんですけど、普段より確実に動けたり、いろいろできること多いので、そういう時だけは手はよく動いていたと思いますね。