赤楚衛二「父の言葉に背中を押され役者の道へ。『チェリまほ』が転機、海外にも興味が。30歳の抱負は〈年相応の男〉に見られること」
◆イメージを裏切っていきたい この春、ドラマ『Re:リベンジ―欲望の果てに―』に出演します。フジテレビでゴールデン帯の主役をやらせていただくのは夢のひとつでもあったので、精いっぱい頑張って面白いものを届けたいです。 舞台は、日本屈指の巨大病院。僕は同院の理事長の息子で、週刊誌の記者をしている主人公・天堂海斗を演じます。海斗は父親との間に確執を抱えているのですが、ひとつの事件を機に、院内で理事長の座を巡って権力争いが勃発。病院とは距離を置いてきた海斗が、大切なものを守るため、権力争いに挑んでいきます。 度を越した欲望や野望を抱いた人々の行動原理が生々しく描かれている脚本に、圧倒されました。人間の醜さと言えばそうなのかもしれませんが、僕はそこに、「これが人間だ」というある種の美しさも感じます。普段フタをしている感情が表出したときに人はどう変わるのか。ゾワゾワしながら楽しんでください。 実は海斗は、いつかやってみたいと思っていた役柄なんです。権力争いに嫌悪感を抱く彼自身も、復讐心や野心、保身、男女の欲望など、人が持つほとんどすべての欲望を持っている。 えぐみや振り幅のある役なのでプレッシャーも感じつつ、これを乗り越えたら役者としての幅も広がるはず。皆さんに好かれる役かどうかはわかりませんが。(笑)
僕自身は、欲望や野望というほどのものは抱いていません。いたってのんびりした人間です。人を描く職業に就いている以上、そういうエネルギーも大事にしたい気持ちはありますし、面白い作品を届けたいという思いの中にも、「やるならど真ん中で演じさせていただきたい」という欲はあります。 とはいえプライベートでは怒ることもめったにないので、極めておだやかなタイプだと思っているんです。 ドラマでは父親との確執も描かれています。僕自身はそういった経験もなく……(笑)。父には厳しく育てられましたが、何くそ根性で「絶対に負けたくない!」と思いながら乗り越えてきました。 相手と対峙せずに諦めてしまえば、確執ができてしまう。逆に、逃げずに向き合えば、軋轢は生まれないと思います。僕がお芝居の世界に入りたいと伝えたときも、父は「やりたいことを見つけたならそれが一番だ」と背中を押してくれました。両親は僕の活動を楽しみにしているようで、よく「ドラマ観たよ」と連絡がきます。 今年、プライベートでやりたいことですか?うーん、中学時代の友だちと旅行したいねと話していて、それくらいかな。休みをもらえたら嬉しいですが、あっても何をしようか悩んで、結局、洗濯や掃除をして一日が終わるんです。面白みがなくてすみません。(笑) 30歳の抱負としては、やはり役者として皆さんに楽しんでいただくのが一番です。そのためにも少しずつイメージを裏切っていかなくてはいけないと思っています。あとは、「年相応の男」に見られることですね。頑張ります。(笑) (構成=上田恵子、撮影=宅間國博)
赤楚衛二
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