シャインマスカットまた未開花症 つぼみ形状「筋なし」多数
客足が遠のくことを心配
シャインを含むブドウ1ヘクタールを栽培し、販路は自ら設けた店舗での直売。ただ、未開花症の発生後、店で求められる贈答向けの形が整ったシャインは「ほとんど確保できない」。他の品種でもわずかながら同様の症状が見つかっているという。 特に人気品種のシャインを並べられないのは大きな痛手だ。収入保険に加入したため「今季の収入減はある程度補える」という。ただ、何年もシャインを店頭に並べることができておらず、客足が遠のくことを心配する。 未開花症の対策が確立され、症状が収まって再び売れるようになったとしても、「その時、お客さんは戻ってきてくれるだろうか」と気をもむ。 未開花症を巡っては、昨年に農水省が迅速な対処が必要な「緊急対応課題」に設定した。農研機構と主産5県のグループが発生要因の究明に当たった。ただ、研究は難航し、原因の特定には至っていない。(金子祥也)
<ことば>未開花症 5、6月の開花時期になっても、雌しべと雄しべを覆うキャップ状の「花冠」が外れず、果粒が正常に肥大しない障害。原因不明で、農研機構が発生要因の研究を進めている。
日本農業新聞