WBSS決まった4強。異例の棄権TKO勝利した5階級王者ドネアは井上尚弥の最強ライバルなのか?
WBO世界同級王者のゾラニ・テテ(30、南アフリカ)はすでに1回戦を終えて3-0判定でミーシャ・アロイヤン(30、ロシア)を下して3度目の防衛に成功している。11秒KOで有名となったサウスポーの強打者。同記事は、「テテはハードなパンチを放つが、顎回りが弱い。ドネアのパンチは本当に強く、30歳のテテには強すぎるかもしれない。テテは12連勝中だが、ドネアのようなレベルの才能ある選手とは戦っていない」とドネアの優勢を予測している。 ドネア自身もテテ戦に向けて「テテは手ごわい相手だが、いつも言うように勝つのは自分だ。その戦いではさらにもっと速く動けるだろう」と自信を見せた。 井上が、来春に米国で予定されているIBF世界同級王者、エマヌエル・ロドリゲス(26、プエルトリコ)との準決勝に勝つことが条件になるが、前出のBoxingnews24は、「ドネアと井上がパワーパンチを交わし合う面白い戦いになるだろう」とし、「井上のキャリアにとって初めて強打の選手に試されることになる。ドネアが今夜見せたパンチであれば、井上を止める良いチャンスがあるだろう」と井上苦戦の予想をした。 海外メディアは一様に今年4月にWBO世界フェザー級王者、カール・フランプトンに判定で敗れていたドネアの復活を称え、評価は高かったが、元WBA世界Sフライ級王者、飯田覚士氏の予想は、まったくの逆。 「ドネアは全盛期に比べて反応が悪くなっていたように見えた。途中、左のガードが下がる悪い癖が出ていた。おそらくジャブと、得意の左フックをひっかけやすくするために、そうしているんだろうが、肘が開き、反応が悪くなっているため、打ち終わりにバーネットの右のパンチを不用意にもらっていた。バーネットよりもドネアに上背とリーチがあったためプレッシャーがかかったが、往年の武器である左フックにも切れ味はなかった。あれでは井上を詰めるまでには持っていけない。逆に井上の右のストレートは当たるだろう。ドネアのパンチにかぶせるパンチ、打ち終わりに打ち抜くパンチ。どれも効果的に当たると思う。1ラウンドとは言わないが、序盤に勝負が決する可能性があるのではないか。私は、ドネア対テテの準決勝も上背がありサウスポーからパンチを打ち降ろすことのできるテテが有利ではないかと考えている。むしろテテ対井上の方が、井上が少しは苦労する可能性があるのかもしれない」 拳に負傷を負ったとされるロドリゲスとの準決勝が順当のスケジュールで行われれば、世界最強決定トーナメントの決勝は、来年の秋か年末に行われる予定になっている。